第四十四話 処刑
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「頼む。その間二人の警護は厳重なものにしておいてくれ」
「はい、それでは」
「すぐに博多に」
こうしてロンド=ベルは博多に向かった。しかしここですぐに二人が動くのだった。
「行ったな」
「ああ」
アクセルはラミアのその言葉に頷いた。
「どうやら博多で陽動をしてくれたらしいな」
「それで奴等が行ったということだな」
「そうだ。それではすぐに動こう」
彼等は早速立ち上がり営倉の扉を開けた。まるで鍵なぞかけていなかったかのように。
「シャドウミラーに戻るぞ」
「うむ」
こうして二人は脱走を開始した。しかしロンド=ベルはまだそれを知らなかった。
博多に到着したロンド=ベルはすぐにシャドウミラーの軍勢と戦闘に入った。勇とヒメが最初に敵の中に突っ込んで行く。
「流石にグランチャーはいないな」
「そうだね」
ヒメは勇のその言葉に頷きながら攻撃を敵に放つ。
「いるのは連邦軍のばかりだよ」
「どうやらあちらの世界からマシンを持って来ているだけか」
「残念だがそれだけではない」
エキドナが二人に答えてきた。このシャドウミラーの軍勢を率いているのは彼女なのだ。
「どういうことだ!?」
「我々は既にこちらの世界に慣れ親しんできている」
「だったらどうなんだ?」
「貴女の話、わからないよ」
「こちらの技術も学んできているということだ」
そう二人に述べた。
「従ってだ」
「まさか私達のも!?」
「馬鹿な、グランチャーは」
「その通りだ」
しかし彼女は言う。
「既に用意してもある」
「馬鹿な、抗体を持っている人間までか」
「どうしてそんなことまで!?」
「クローンだ」
答えはそれであった。
「一人抗体を持っている人間を手に入れれば後は容易い」
「おいおい、ここでもクローンかよ」
ムウはそれを聞いて嫌な顔を見せた。
「どうやらあんた達の戦力の秘密はそれみたいだな」
「その通りだ。我等は生命を作り出すことができる」
エキドナはムウに対しても言うのだった。
「どれだけでもな。全ては我等が理想の為に」
「おいおい、また随分とぞっとしない話だな」
「理想があれば何でも許されるのかよ」
「少なくともあちらさんはそう考えてるみたいだね」
ケーン達三人は彼等を見て言う。
「どうやら俺達の相手は」
「またしても狂信者ってわけか」
「まっ、慣れてはいるけれどね」
「何とでもいうがいい」
エキドナは三人の言葉を受けても平気な様子であった。
「所詮俗物に我々の理想はわかりはしない」
「それが貴様の理想であるかはわからんがな」
マイヨがここまで聞いてエキドナに告げた。
「何っ!?」
「人形は踊らされるもの」
彼はまたエキドナに言った。
「そしてそれには安易に気付かないものだ」
「ふん、戯言を」
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