第三十六話 ディーンの火
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「俺達は機械じゃない。機械には負けはしない」
ヒイロとトロワは冷静に敵を撃ち抜く。そうしてそこに加えてカトルが切り込む。それでゴラー=ゴレムを一掃してしまうのだった。
「まだですね」
カトルはゴラー=ゴレムを切り裂きながら言う。
「彼等はまだ」
「出て来るっていうんだな」
「ならば!」
デュオとウーヒェイはさらに敵を切り裂いていく。だがそれを見てもキャリコは余裕のままであった。
「御前達のその柔軟性はいずれ命取りになる」
「どういうことかな、それは」
ミリアルドもノインやヒルデ達と共に戦いに加わっていた。その中でまた彼の言葉に対して問うていた。
「人間とは正邪を併せ持つ存在だからな」
「それが悪いというのか!?」
「どういうことだ」
ノインとヒルデにはそれが見えない。それにキャリコはそれを二人に対して言っているのではなかったのだ。
「アイン」
クォヴレーに声をかけていたのであった。
「以前の御前はそのことを認識していたのだがな」
「違う」
しかしクォヴレーはキャリコのその言葉を否定するのだった。
「どういうことだ?」
「俺はアインではない」
「ほう」
クォヴレーのその言葉に対してまた口の端を歪めて笑ってみせる。
「では何だ?」
「俺はクォヴレー」
彼はそれに応えて笑った。
「俺はクォヴレー=ゴードン!ロンド=ベルの戦士だ!」
それを宣言してキャリコに切りつける。キャリコはそれを己の剣で受け止めてみせた。
「しかしだ」
キャリコは激しくぶつかり合うその二本の剣を見ながらクォヴレーに言う。
「アインよ」
「まだその名を言うのか」
「一つ言っておく」
「何をだ?」
「今の御前では俺には勝てん」
「何っ!?」
「何故なら俺は」
そこから先を言おうとする。だがそこに今度は金色のマシンが姿を現わしたのであった。
「!?」
「甘いわね」
クォヴレーに照準を合わせて攻撃を仕掛けてきた。クォヴレーはそれを見てすぐに後ろに跳び退いた。それで何とかその攻撃をかわしたのであった。
「誰だ!?」
「応えるつもりはないわ」
スペクトラであった。その冷酷な笑みと共に言うのであった。
「悪いけれどね」
そのうえで言う。
「アイン」
クォヴレーのかつての名を。
「キャリコに代わって相手をしてあげるわ」
「この女も俺の過去を知っている」
「アインよ」
キャリコはスペクトラの横に位置した。そこからまたクォヴレーに対して言う。
「御前の内なる存在を呼び出せ」
「内なるだと!?」
「そうだ」
またクォヴレーに告げる。
「御前だけではそのミューティションを使いこなすことは出来まい」
「俺の内なる存在」
クォヴレーにはそれがわからなかった。
「それは一体何なのだ!?」
「前にも言った
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