第三十四話 アインスト造反
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!」
「くっ・・・・・・」
何故かここで言葉を詰まらせるロゼであった。
「何を根拠にそれを」
「このゴッドマーズは兄さんにより与えられたものだ」
彼は言う。
「それが何よりの証拠だ。だから俺は兄さんを信じるんだ、バルマーに操られているだけだってな!」
「そして地球に連れて行くつもりなのか」
「そこまではわからない。けれど」
タケルはそこまで考えてはいなかった。だが。
「兄さんを救い出す、それだけは確かだ」
「そうか。ならば私は司令をお守りする」
タケルにはタケルの、ロゼにはロゼの考えがあった。それが今衝突していた。
「ここで貴様を倒して!」
「むっ!」
「死ねマーズ!」
ゼーロンからビームを放ってきた。
「ここで死んで司令を悩ませるのを止めろ!」
「何のっ!」
だがタケルはそのビームをかわす。そうして剣でゼーロンを切りつけた。
「この程度で!」
「きゃっ!」
剣がゼーロンを斬った。それでロゼは衝撃で吹き飛ばされたのだった。
だがまだ撃墜されてはいなかった。ロゼも健在であった。
「まだだ、この程度で」
タケルをきっと見据えて言う。
「倒れるわけにはいかない」
「なら次の一撃で」
タケルもそれならそれで攻撃を浴びせるだけであった。彼も引かなかった。
「決めてやる。そして」
「このまま死ぬのなら」
ロゼもロゼで覚悟を決めていた。自身の身体にもダメージを受けているがそれには構わなかった。
「この男を道連れにしてでも」
しかしここで。新たな軍勢が姿を現わしたのであった。
「むっ!?」
「援軍か!?」
ロンド=ベルの面々はそう考えた。だがロゼは違っていた。
「馬鹿な、そんな筈がない」
「えっ、副司令」
「それはどういうことですか?」
「司令は今ネビーイームにおいて第二次防衛ラインの指揮に備えておられる」
それはロゼだけが知っていることであった。
「それで援軍が来ることなぞ有り得はしない」
「それでは一体」
「何者が」
「少なくとも味方ではない」
ロゼはこう言う。
「ゲストか。それともインペクターか」
その二つの敵について考えた。
「何者か」
「いえ、副司令」
「彼等は」
「何者かわかったのか」
そう部下達に問うた。
「はい、グラドス軍です」
「彼等が来ました」
「!?グラドス軍が」
ロゼはグラドスと聞いてその整った眉を顰めさせた。
「彼等がどうしてここに」
「わかりません。ですが通信を開いております」
「わかった。私が出よう」
「はい、御願いします」
それを受けて通信に出る。すると出て来たのはゲイルであった。
「卿か」
「ロゼ殿、どういったおつもりでしょうか」
ゲイルはいきなりロゼに詰め寄ってきた。
「この度のことは」
「この度のこと!?
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