暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第一部
運命の夜の先へ
狂躁の夜を越えて(U)
[3/7]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
「打撲傷の上からつねらないで、お願い!」
「あんたほんと昔から懲りないわよねー」
抓られた部分を必死にさすりながら答える。
ああ確かに、昔からこうやって絡んでは、軽くあしらわれていたような気がする。
魔術師
(
俺たち
)
は普通一般人を遠ざけるし、同業者であっても心を許し合うような関係には至らない。
それは遠坂凛も例外ではなかった。
知り合った当初に同じ中学に編入してから、そんな暗黙の了解などお構い無しに俺は迷惑そうにしている凛に話しかけていた。
そういうルールや掟なんてもの、俺にはよくわからなかったし、どうでもよかったから。
実際に俺自身が他者に対して線引きを始めたのは中学を卒業してからで、これまでと変わらない人間を演じつつ、内側では冷たい感情が潜むようになった。
俺は基本的に誰のことでも好きなのだが……というより、俺は好き嫌いの判断ではないようで、誰とでも仲良くなれるのは同時に誰のこともどうでもいいからだとか。
昔にそれを言峰神父に指摘されて、その本質を知ったときは少しショックだった。
曰く、ヒトを好ましいと思うのではなく、人を愛しいと感じるようにならない限り俺はこのまんまならしい。
ただそんな自分を気に入ってもいる。
なので生き方の一部となったこれを今さらどうこうしようとは思わない。てかどうしようもない。
「そういや、学校の基点はどうするんだ? 今日からバイトはしばらく休むから、付き合えってなら付き合うけど」
「うーん……今日はいいわ。昨日のうちに半分以上は潰したし、今日は日曜日だもの。わざわざ人がいない時に発動はしないでしょうしね」
おや、意外。
昨日は全部潰さなきゃ気が済みそうになかったのに、どういう心境の変化だろうか。
結界の主目的はライフドレインだろうが、他にもマスターを閉じ込める意味も持っているはずだ。
前者は今日だと人が居なさ過ぎて達成できず、後者も俺や凛が学校に居ない時点で意味は無くなる。
魔術師として考えるなら、日曜日に発動するのはどう考えても効率が悪い。
「じゃあ俺は家に戻ってから新都に向かうけど……凛はどうする?」
「私は家に戻ったら一度眠るわ。昨日から一睡もしていないし。夜にはまた出かけるでしょうけど」
「そうか。それと明日からのことなんだけど、学校に居る間は戦闘無しにしないか?」
「え?」
いや、そんな間の抜けた顔をされても。
「俺としては学校には出席しておきたいし、結界のことも気になる。だから学校に居る間だけ、不戦条約」
「いいわよ、別に。でも放課後とかに意味も無く残ってたりしたら、容赦なく背中から撃つわよ?」
「こっちもその首落としてやるよ。出来れば、おまえとの戦いは最後ま
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ