SAO編−白百合の刃−
SAO5−不器用とお節介
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「私を置いて走り去るなんて……ずいぶんといい度胸しているじゃない?」
「「「ごめんなさい」」」
私達はボスの恐怖と迫力に負け、逃げるのに精一杯だった。そのせいで、常に冷静でいたドウセツを置いて逃げてしまった。今はそのお説教中。
怒っているようには見えないけど、冷えた怒りの瞳をしている。私達が逃げたのは悪いけど、なんとかして宥めないと。
「で、でもさ。ぶ、無事で良かったじゃない。いや〜よかったよかった!」
「…………」
「すみません。以後気をつけます……」
その淡々とした表情にある、瞳の奥でゴミを見るような冷酷無情に私を見ないでください。本当に反省していますので。
…………。
私達が逃げたことによってドウセツが一人になってしまい、そのままドウセツだけがボスとバトルの流れになったらどうなっていたんだろう。
…………うん。気をつけよう。本当に気をつけよ。
層を三分の一攻略したからと言って、このまま順調に残りの層も攻略できるとは限らない。それにドウセツは大切なパーティーなんだから、私がしっかりして、常に行動を共にしないとパーティーを組んだ意味がない。
「ごめん、ドウセツ。次は気をつける。足引っ張らないように頑張る」
「……そう」
それだけ聞いて、ドウセツは腰を下ろす。許してくれたんだろうか。とりあえずは私のことをゴミのように見てないことだけはわかった気がする。
じゃあ、話を切り替えてボスの話でもしよう。
「あのボスさ、兄はどう思う?」
「そうだな。パッと見、武装は大型剣の一つだろうけど、特殊攻撃ありだろうな」
「それなら、前衛に堅い人を集めてどんどんスイッチして行くしかないね」
「だな。あと、盾装備の奴が十人は欲しいな……。まぁ、当面は少しずつ、ちょっかいを出して傾向と対策って奴を練るしかなさそうだな」
「盾装備ねぇ……」
ボスについて談話のある一言に引っかかったアスナは、意味ありげな視線で兄を見つめた。
「な、なんだよ」
「キリト君、なんか隠しているでしょ?」
「いきなり何を……」
「だっておかしいもの。普通、片手剣の最大のメリットって盾持てることじゃない。でもキリト君が盾持っているとこ見たことない。わたしの場合は細剣のスピードが落ちるからだし、スタイル優先で持たないって人もいるけど、君の場合はどっちでもないよね」
ふむ、言われてみれば……ゲームだから盾縛りとかしているの? でも、兄はそんな理由で盾持つわけがなく、昔から片手剣、盾無しの戦闘スタイルを維持している。片手剣のメリットを活かさずに、速さを追及したいのかな? でも、それだったらアスナの細剣でもいいよね。いや、細剣だと威力が足りなくなるから片手剣か?
「「怪しいなぁ」」
「な、何で
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