SAO編−白百合の刃−
SAO5−不器用とお節介
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ったく、お前らは人がいい奴だな」
その場いるほぼ全員は思った。「どっちがお人好しなんだか」と。結局みんなついて行くことになった。
ただ一人、ドウセツは賛同してくれはしなかった。
「お人好しばかりで呆れるわ。好きにして」
プイっと顔を背けて、自分は関係ないと、その場で座り込む。
ドウセツは助ける気はないか。それもそうか、相手は他人だし、あんまり良い人じゃないんだから
「兄達は先に行っていて、私は後からドウセツと一緒に行くから」
「わかった」
その言葉に信じられなかったみたいで、顔を背けていたドウセツが反論してきた。
「私は行かないわよ」
「好きにしてって言ったでしょ? なら私がドウセツを連れて行くのだって、好きにすることなんだから問題ないよね」
「貴女は頭が崩壊いるの? あぁ、そうだったわね。崩壊しているんだった」
「おい」
「屁理屈言わないでくれるかしら? 私は行かないって言っているの」
頭が崩壊していたら、ドウセツが言うお人好しな思考なんて失っているって。つか、崩壊したら死んでいるじゃんか。それに屁理屈に関しては人のこと言えないじゃないか。
「ドウセツはそう言っているけど……なんだかんだでさ、優しいじゃない」
「違う」
「違わない」
「違う」
「違わない」
「バカ」
「バカで結構」
「変態」
「今関係ないじゃん!?」
ドウセツは未だにその場から離れずに顔を背けている。不機嫌オーラが半端なく伝わってくる。
それでも引くわけにはいかない。今は、私のパートナーなんだから。ここでドウセツと同じように、座っていたら、私は絶対に後悔する。
「やっぱり、ドウセツは優しいんだと思うよ」
「まだ言うの?」
「言うよ。優しくない人ってさ、相手のことなんてなにも想わないんだと思う。例えば、相手が嫌な想いをさせたり、人を悲しませたり、嘲笑う人が優しくない人。ドウセツは善意ではないけど、相手のことを想ってくれるじゃんか」
「……別に、事実と結末を推測しただけよ」
「それでも相手のことを考えたことは間違ってはいないし、何よりも私に教えてくれたじゃない。ドウセツは私の性格、知っているよね」
「バカで変態」
「変態は違うわよ。でも、この際バカでもいいわ。賢いやり方なんて私にはわからないから、がむしゃらに頑張るしかないんだ」
自分が本当に正しいのかなんて言えない。でも、間違っているとは思いたくはない。だから、がむしゃらに頑張るしかない。後悔はしたくない。後悔した時には、手遅れになっているその悲しさの辛さを、私は知っている。
「私はコーバッツに後悔した想いをさせたくない。だからお願い、ドウセツ。私のお人好しに付き合ってくれる?」
「…………」
ドウセ
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