暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンラインーツインズー
SAO編−白百合の刃−
SAO5−不器用とお節介
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ったく、お前らは人がいい奴だな」

 その場いるほぼ全員は思った。「どっちがお人好しなんだか」と。結局みんなついて行くことになった。
 ただ一人、ドウセツは賛同してくれはしなかった。

「お人好しばかりで呆れるわ。好きにして」

 プイっと顔を背けて、自分は関係ないと、その場で座り込む。
 ドウセツは助ける気はないか。それもそうか、相手は他人だし、あんまり良い人じゃないんだから

「兄達は先に行っていて、私は後からドウセツと一緒に行くから」
「わかった」

 その言葉に信じられなかったみたいで、顔を背けていたドウセツが反論してきた。

「私は行かないわよ」
「好きにしてって言ったでしょ? なら私がドウセツを連れて行くのだって、好きにすることなんだから問題ないよね」
「貴女は頭が崩壊いるの? あぁ、そうだったわね。崩壊しているんだった」
「おい」
「屁理屈言わないでくれるかしら? 私は行かないって言っているの」

 頭が崩壊していたら、ドウセツが言うお人好しな思考なんて失っているって。つか、崩壊したら死んでいるじゃんか。それに屁理屈に関しては人のこと言えないじゃないか。

「ドウセツはそう言っているけど……なんだかんだでさ、優しいじゃない」
「違う」
「違わない」
「違う」
「違わない」
「バカ」
「バカで結構」
「変態」
「今関係ないじゃん!?」

 ドウセツは未だにその場から離れずに顔を背けている。不機嫌オーラが半端なく伝わってくる。
 それでも引くわけにはいかない。今は、私のパートナーなんだから。ここでドウセツと同じように、座っていたら、私は絶対に後悔する。

「やっぱり、ドウセツは優しいんだと思うよ」
「まだ言うの?」
「言うよ。優しくない人ってさ、相手のことなんてなにも想わないんだと思う。例えば、相手が嫌な想いをさせたり、人を悲しませたり、嘲笑う人が優しくない人。ドウセツは善意ではないけど、相手のことを想ってくれるじゃんか」
「……別に、事実と結末を推測しただけよ」
「それでも相手のことを考えたことは間違ってはいないし、何よりも私に教えてくれたじゃない。ドウセツは私の性格、知っているよね」
「バカで変態」
「変態は違うわよ。でも、この際バカでもいいわ。賢いやり方なんて私にはわからないから、がむしゃらに頑張るしかないんだ」

 自分が本当に正しいのかなんて言えない。でも、間違っているとは思いたくはない。だから、がむしゃらに頑張るしかない。後悔はしたくない。後悔した時には、手遅れになっているその悲しさの辛さを、私は知っている。

「私はコーバッツに後悔した想いをさせたくない。だからお願い、ドウセツ。私のお人好しに付き合ってくれる?」
「…………」

 ドウセ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ