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SAO編−白百合の刃−
SAO5−不器用とお節介
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口に広がる!
 明太子風オニギリを二口目で口の中にいれた。

「はい、これ」
「あ、うん。ありがとう」

 続いて、二個目のオニギリを一口で中に入れようと、大きく口を開けてかぶりついた。

「んふっ!?」

 口から吹き出しそうになったが、何とか口の中だけで爆発を止まらせることに成功した。失敗すれば、口から米を吹き飛ばしていただろう。
 そんな冷静に、もしもの可能性を上げてはみたんだが、そろそろ限界が来て思考が鈍くなってきた
 な、何これ。お、美味しいけど、何か生臭くて目に染みるような酸味が強すぎて、つ、辛い。食感は間違いなく、おにぎりに入れるべき具材じゃない。そもそも食い物かどうかすら怪しい物を口にしてしまった気がするのは、気だけで十分だ。
 でも、これ、本当になに? 口の中がものすごくすっぱいんだけど……。

「当たりよ」
「当たり?」

 ドウセツは肉巻きオニギリを食べ終え、お茶を飲む前に具材の種明かしをした。その、肉巻きオニギリ、私も食べたい。

「その具材は、『スカイング・レイ』の燻製(くんせい)よ」
「そんなものオニギリの具材にするな!!」

『スカイング・レイ』五十七層と五十八層に生息する、空を飛ぶエイ型のモンスター。酒のつまみにとてもよく、燻製が一番合うが酸味が強すぎる。下手をしたら麻痺になりかねない刺激的な食材。しかし、その独特な匂い好きには好まれるので、一部のプレイヤーからは絶賛の美味として賞される。
 そ、そんなものを私の食べさせたのかよ。

「今日のために作ってあげたんだから、ありがたく思いなさい」
「う、うん、ありがとう。でもさ、次からはオニギリに合う具材で十分だからいれないでね」

 と言うか、オニギリの具材じゃなくても出さないでよ。初めて食べたけど、ちょっとトラウマになりそう。うぇ……まだすっぱいよ……。
 口直しとして、マヨネーズシーチキン風のオニギリをほおばりついた。
 そんでもってか甘味が欲しかったので、兄とアスナの甘い会話を聞くことにした。

「……すごい。完璧だ! アスナ、これ売り出したらすっごく儲かるぞ」
「そ、そうかな」
「いや、やっぱ、駄目だ」
「な、なんで?」
「俺の分が無くなったら困る」
「意地汚いなー、もう! 気が向いたらまた作ってあげるわよ」

 …………。 
 ……一応、ここが死地の真っ只中だということも忘れてしまうような、穏やかで甘ったるい沈黙が周囲に満ちていた。
 その様子を見て私達は……。

「無駄以上に甘過ぎるわね」
「うん。ラブコメの如く、甘いね……。」

 とりあえず、しょっぱさ欲しさに今度は塩おにぎりを一口入れ、再び口直しをした。

「ん?」

 不意に下層側の入り口からプレイヤーの一
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