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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
集結準備
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うな」

「いえ! スキンシップです!」

「そうか。ならいいが……問題なんて起こしてみろ。あいつらより先にお前ら殺すぞ」

 イーリスはそれだけ言うとその場を去っていった。
 イーリスの言葉にジーナが釘を刺してこの話は打ち切りとなった。上官命令だ。従わないのは規律に反するのを全員が理解している。そもそも艦内の喧嘩もご法度なのだがそれは両者が口裏を合わせてしまえば良いだけの話で収まる場合が多い。しかし今回は上官からの直接命令である以上、命令は絶対だ。
 それ以前に、明らかに格上の相手に鬼のような形相で睨まれたら大抵の人は戦意を引っ込めるだろう。

「怖……」

「しょうがないよ。ファイルス代表を堕とした例の男は来ないんでしょ?」

 『銀の福音』のテストパイロットのナターシャ・ファイルスは現在本国で取調べを受けている真っ最中だ。国際IS委員会の招集といえども判決待ちの人物をこの場に呼べるはずも無く、代わりに国家代表を一人寄こすことになった。
 イーリスはナターシャの同期で親友でもあることもあり、当初この召集は福音事件の全関係者が集まると言うことで息巻いていたのだが、蓋を開けてみれば一番話題の張本人がいない。その時点でも満足いかないイーリスから見れば暴れることもできない今回のことも含めて全てが厄介ごと以外の何者でもないのだ。

「ああ、あの『ブリュンヒルデ』の弟だっけ?」

「仇取るって息巻いてたもんね」

「死んでないけどな」

 リーゼの言葉に他の2人が苦笑いする。
 その時、上空を一機の戦闘機が通過する音で3人がほぼ同時に空を見上げる。

「そういえば『ブリュンヒルデ』はIS学園で教員やってるから今回参加しないんだっけ?」

「『ブリュンヒルデ』は来るわよ。イギリスの、だけどね」

「ああ、そうだったか。つっても第1回も第2回も実質的にはチフユって日本人だろ? イギリスの『ブリュンヒルデ』はおまけでなったようなもんじゃねえか」

 イギリス出身者がこの場にいれば即エリスに殴りかかっても仕方のない暴言にリーゼとソフィアは苦笑いしか出ない。
 しばらく変な間が空いた後に、ソフィアがふと思い出したように言った。

「『ブリュンヒルデ』と言えばさっき聞いたのだけれど……ロシアの『女帝』が参加するらしいわよ」

「げ……」

「それ確かなの? ロシアはこの一件に何も関与してないのに?」

「艦長から聞いたからほぼ間違いないと思うけど……何も落ち度がないから参加するんじゃない? 好き勝手なこと言えるわ」

 ソフィアの言葉に他の二人の肩が明らかに落ちる。ロシアの『女帝』と言えばISの世界では知らない人の方が珍しい人物だ。相手の嫌がる戦い方を好むため嫌われているが、第1回モンド・グロ
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