集結準備
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冷蔵庫から出した麦茶入りの二?ペットボトルは既に空で、机の上に転がっている。
ここまでしているのだから他の場所に行けば良さそうなものだが、残念なことに2人には上層部から既に自室待機命令が出てしまっている。こういう時は基本的に緊急時で、いつもなら1時間もすれば何かしらのお呼びが掛かるのだが、既にその命令から4時間が経過している。いつもなら面倒な命令だが、今は運悪く長くなってしまっていた。ISなら防護フィールドのおかげで暑さなど関係ないというのにこんな時に部屋への待機なんてサウナで待っているのと変わらない。
「響? 頼みが」
「何か嫌な予感しかしないけど言ってみ」
「アイスを」
「却下だバカヤロウ。てかそんなもんあるなら食べてるよ」
「むう…」
代表候補生であり、自衛隊基地にいる以上その上層部の命令は絶対だ。故に2人はこの部屋を離れることは出来ない……が、暑さは我慢できない。となれば薄着をするしかなく、2人は結構ギリギリのところまでシャツを捲り上げている。
それから更に30分が経過し……
「響?」
「んー?」
既に響の方は窓辺に寄りかかっている状態であり、千歳の端正な顔にも汗の粒が出来ている。バケツに張られた水は冷水から微温湯と変わらない温度へと変化しつつあった。
「扇いで」
「自分でやれっつの」
2人のTシャツは既にその役目を果たしておらず、肌にぴったりと張り付いて透けてしまっている。当然下着は丸見えであるし、肌の色も見えるくらいに透けてしまっている。
「脱ぐ?」
「それが一番手っ取り早い気がしてきた」
そう言って二人がTシャツに手を掛けた瞬間……何の前触れも無く扉が開いた。その瞬間に2人の少女の手が止まり……再び脱ぎだす。
「待たせたな……って何やってるお前ら……」
入ってきたのは航空自衛隊の制服を身に着けた女性だ。歳は20歳ほどで、髪はおかっぱに近く少しだけ不揃え。仕官服で窮屈そうに締め付けている胸元が特に目立つ。
「榛名二尉……」
響がその女性を見てそう呟きながら脱ぎかけたシャツを元に戻した。その顔にはやっと開放されると言う安堵感とこれから仕事だと言う苦痛が入り乱れていた。
「やっとですか舞子さん。待ちくたびれました。というわけでアイス下さい」
千歳はそう言いながらゆっくりとソファーから立ち上がる。
「相変わらずだな貴様ら……そのまま滑走路10往復行ってみるか? 十分休んだろ」
「はい! 待ってました!」
「お仕事ですね。頑張ります」
女性、榛名舞子の一言で2人が飛び上がると目の前まで走ってきて敬礼をする。この人は冗談を言っているようで冗談じゃないことがある。前に
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