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エヴァンゲリオン REAL 最後の女神
使徒大戦
第一章
1.05
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射線上目指して飛んだ。
 しかしロンギヌスの槍を受け止めるにはあまりにも不十分なフィールドと体勢だった。
 あっさりと槍は初号機のフィールドを噛み破り、初号機の胸を貫通する。
 宙に浮いて制動力を持たない初号機をぶらさげたまま槍は跳び続け、弐号機の腹に深々と食い込んだ。
 ドグマの壁面に百舌の速贄(もずのはやにえ)のように()い止められる二機。コアを串刺しにされ、弐号機の目から光が消えた。コクピット近辺を削り取られた初号機も沈黙する。
「……手こずらせてくれたね。けれど、これですべての使徒の因子、力の実はそろった。あとは君とボクのどちらが次の階梯に進むか──その審判をガフの扉の前で受けるだけだ」
 ひとりごちるカヲルの視界に、水面に漂う制服が入った。
「覚醒するはずのない抜け殻の巫女(よりまし)──けれど、あのATフィールドは……? イレギュラーは困るね。とりあえず調査してみるか」
 四号機をかがませ、レイの体をすくい上げる。
「槍よ」
 主人の呼び声に反応し、槍が抜ける。力をなくした二機のエヴァが水面に崩れ落ちるように沈んだ。
 四号機の手に戻った槍をふるうと、再び空間に裂け目が生じ、虚数空間が口を開けた。その中へと悠々と足をすすめる銀色の巨人。完全に四号機がその姿をディラックの海に消した後には、かつてエヴァンゲリオンだった残骸と、沈黙だけが残されていた。

                         ……つづく。

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