はじまりの地〜
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・・なくしてるみたいで・・・」
「まあ・・・」
サーシャさんに説明をして、また、ここには小学生から中学生に至るまでの20人くらいの子供達がいることを教えてもらった。
「私、ゲーム開始から一ヶ月くらいは、ゲームクリアを目指そうと思ってフィールドでレベル上げしてたんですけど・・・ある日、そんな子供達の一人を街角で見かけて、放っておけなくて宿屋で一緒に暮らし始めたんです。・・・そうしたら、殆どの子供達が宿屋にいて・・・ビックリしました」
「あ・・・」
思わず俺は声をだしていた。
「それで色々あって今の状態に・・・私は、皆さんみたいに、上層で戦ってらっしゃる方もいるのに、私はドロップアウトしちゃったのが、申し訳なくて」
「そんな・・・そんなこと」
言葉に詰まったアスナを助けるように、俺は口を開く。
「いいえ、サーシャさんは凄いです。中途半端な俺よりも、ずっと・・・」
そうだ・・・俺はあくまでその場凌ぎで人助けをした気になって・・・
「ありがとうございます。でも、義務感でやってるわけじゃないんですよ。子供達と暮らすのはとっても楽しいです」
他にも色々話してくれた。この二年、毎日あちこち困っている子供がいないか探していること。年長組がなんとか生活費を稼いでくれること。・・・つまり、お金をここにいる他のプレイヤーよりもかせいでいること。
「だから、最近目を付けられちゃって・・・」
「・・・誰に、です?」
サーシャさんが口を開こうとしたその時。
「先生!サーシャ先生!大変だ!」
部屋の扉が勢いよく開き、子供達が雪崩れ込んできた。
「こら、お客様に失礼じゃないの!」
「それどころじゃないよ!!ギン兄ィたちが、軍のやつらに捕まっちゃったよ!!」
「・・・場所は!?」
サーシャさんがすぐに立ち上がり、少年から場所を聞く。
「解った、すぐ行くわ。・・・すみませんが・・・」
俺達は見合わせて頷き合う。
「俺達も助けに行きます。・・・お茶を頂いたお礼です」
「俺たちも行くよ!兄ちゃん、さっきの剣を・・・」
俺は子供に目線を合わせ、やや雑に頭を撫でる。
「残念だけど君達じゃ装備できないんだ・・・けど、助けたいって気持ちは充分解った。だから俺達に任せてくれ。君の大切な仲間は俺達が助ける」
子供はしばらく考えたのち、小さく頷いた。
「サーシャさん、行きましょう。・・・軍は何をするかわかりません」
咲の言葉にサーシャさんは頭を深く下げた。
「・・・ありがとう、お気持ちに甘えさせて頂きます。・・・それじゃ、すみませんけど走ります!」
『はい!』
俺達は一斉に返事をして、走り出す。寝
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