はじまりの地〜
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回かあの実が落ちるんだよな・・・ほんの数分で腐って消えちまうんだけど、それを逃さず拾えば、NPCにけっこうな値で売れるんだぜ。食っても上手いしな」
「へえええー」
どうやら料理スキルを極めたアスナには食材アイテムに興味があるようだ。
「幾らくらいで売れるの?」
「・・・これは黙っててくれよ。一個、五コルだ」
「・・・」
・・・五コル?それじゃ、まるでこの労力と釣り合わない。少し戸惑いながら咲が口を開く。
「え、えっと・・・それよりフィールドでワームとかを倒せば三十コルくらいにはなりますよ・・・?」
すると男は頭がおかしいんじゃないかと言わんばかりの視線を咲に向けた。
「本気で言ってるのかよ。フィールドで、モンスターと戦ったりしたら・・・死んじまうかもしんねえだろうが」
「あ・・・・・・」
咲は口を閉じ、うつ向いてしまう。・・・そうだ。何がどうあれHPがゼロになれば死ぬ。そこには必ず何%の可能性の死亡確率も含まれている。・・・更に驚きなのは人がいないのは軍の徴税・・・体のいいカツアゲにあうのを恐れて室内に隠っているかららしい。
「酷いな・・・キリト、早く教会に・・・」
「・・・」
・・・そこには真剣に実を奪おうとする兄の姿があった。
「「・・・」」
がつん。
俺と咲は無言でキリトにクロスボンバーを叩き込んだ。
「おぐっ!?お、お前ら、何するんだよ!?」
「意地汚いよキリト君・・・」
「いい?ユイちゃん。ああいういやしい行動はしちゃだめだよ?」
「うん!」
「何だよその良い返事は・・・」
「ほら、キリト君行くよ」
「・・・はぁい」
しばらく歩くと、ユイが寝てしまい、咲はキリトにユイを渡す。ユイを抱き上げてもう少ししたら・・・教会が見えてきた。
「・・・もし、あそこでユイちゃんの保護者が見つかったら、ユイちゃんを・・・置いてくるんだよね・・・?」
「お姉ちゃん・・・」
「まあ、そうなるよね・・・」
「アスナ、別れたくないのは俺も一緒さ。何て言うのかな・・・ユイがいることで、あの森の家が本当の家になったみたいな・・・そんな気がしたもんな・・・でも、会えなくなるわけじゃない。ユイが記憶を取り戻したら、きっとまた訪ねてきてくれるさ」
「ん・・・そうだね」
・・・俺達は二階建ての割と小さな教会の扉を開き、アスナが上半身だけを差し入れ、声を出す。
「あのー、どなたかいらっしゃいませんかー?」
残響エフェクトの尾を引きながら声が消えていくが・・・誰も出てこない。
「誰もいないのかな・・・」
キリトがそれを否定する。
「いや、人がいるよ。右の
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