はじまりの地〜
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「サキの気力はアスナがいてこそなんだ。アスナが側にいるだけでサキはあそこまでやれる・・・」
「そうだよ。それに、アスナだって助けた数多くの人がいる筈だよ。アスナが攻略に参加したから犠牲を防げた時だってあった筈なんだから」
「・・・ありがとう、二人とも」
つまり昔のサキの性格はかなり暗かった。・・・ゲームが始まった直後はまだ咲の記憶はない・・・つまり、早貴は自分で変わりたいと、アスナを守りたいと思った・・・ややこしいなあ。
「俺だってアスナに助けられた。アスナがいなかったら俺もここにはいなかった。・・・俺はアスナに会えてよかったと思ってるよ」
「キリト君・・・うん、わたしもだよ・・・」
「・・・ひゅーひゅー」
なるほどね。最初はサキの話を聞くだけだったけど・・・キリトとアスナの仲も深まったようだ。
「パパー、ママー、おにいちゃんー、早くー!」
遠くからユイの声が聞こえ、俺達は笑いながら二人を追いかける。
「・・・にしても・・・」
俺は辺りを見渡す。咲も何かに気づいたのかキリトに聞く。
「ここって・・・何人のプレイヤーがいるんだっけ?」
「うーん、そうだな・・・生き残ってるプレイヤーが六千、軍を含めると三割くらいがはじまりの街に残ってるらしいから、二千弱ってとこじゃないか?」
「・・・そのわりには人気がなくない?」
「そう言われると・・・マーケットのほうに集まってるのかな?」
・・・だが、街の市場エリアに入っても街は閑散としていて、NPCの声だけが寂しく聞こえた。それでも大きな木の下に座り込むプレイヤーを見つけ、話し掛ける。
「あの、すみません」
「なんだよ」
「あの・・・この近くで、尋ね人の窓口になっているような場所、ありません?」
それを聞いて男はアスナに視線を向け、じろじろ眺める。
「なんだ、あんたよそ者か」
「え、ええ。あの・・・この子の保護者を探してるんですけど・・・」
男はユイを見ると一瞬目を丸くした。
「・・・迷子かよ、珍しいな。・・・東七区の川べりの教会に、ガキのプレイヤーがいっぱい集まって住んでるから、行ってみな」
「あ、ありがとう」
アスナがぺこりと頭を下げる。・・・俺はふと気になって聞いてみた。
「こんなところで何をしてるんですか?人もいないみたいですし・・・」
「企業秘密だ、と言いたいとこだけどな。よそ者なら、まあいいや・・・ほら、見えるだろ?あの高い枝」
見上げると街路樹の枝に黄色い果実が生っているのが見えた。
「もちろん街路樹は破壊不能オブジェクトだから、登ったって実はおろか葉っぱの一枚もちぎれないんだけどな・・・一日に何
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