はじまりの地〜
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・・・さて、俺達は第1層・・・はじまりの街に到着する。
「さ、行こっかユイちゃん」
「うん、おねえちゃん!」
咲がユイを抱っこして歩く。
「・・・なあ、アスナ」
「え?なに、コウハ君」
そこで俺は気になったことを聞いてみた。
「咲・・・リアルじゃどんな奴だったんだ?何でこのゲームをプレイしたのかもわからないし・・・あ、言いにくいなら構わないよ」
アスナは少し考えてから・・・口を開いた。
「・・・ううん、コウハ君にも・・・キリト君にも聞いてほしい。サキだけじゃなくて、わたしにも関係する話だから・・・」
それにキリトが頷き、答える。
「ああ、どんな話でも聞くよ」
「・・・このゲームが始まる前のわたし達は・・・自分で言うのは嫌な感じだけど、エリート人生って言うのかな・・・決められたレールが敷かれてたの」
「・・・」
「常に親が望む成績、決められた友達、複数の習い事・・・まるで鳥籠に閉じ込められたみたいだった」
「そうなんだ・・・」
「・・・サキはとても気が弱くて、何時も両親や親戚にも怯えて、必死にわたしや兄に追い付いてきて・・・笑顔なんて、本当に小さい時までしか見られなかった」
「あいつが・・・」
今の咲・・・早貴の人格を知っていても驚きだ。
「それでもストレスが貯まっちゃったのかな・・・お母さん達に内緒でサキはナーヴギアを買ったの。理由は・・・“全部忘れられるから”・・・あの時のサキの顔も・・・覚えてる」
アスナはどんどん話していく。
「そんなサキがSAOの話を兄から聞いて・・・興味を持たない筈がなかったの。兄に頼み込んで、ソフトを手にいれてもらって・・・わたしは丁度出張でプレイできない兄の代わりにせっかくだから1日だけプレイしようとナーヴギアを被って・・・この世界に来た」
アスナは俯く。この話は本当に聞いていいのだろうか・・・
「それでわたしは最初、頭の中が混乱して・・・多分サキに宿に運んでもらって、数日間パニックになってた」
「(普通・・・そいだよな)」
「親の蔑み、ライバルの哀れみ・・・色んな黒い感情が爆発しそうになったある日、サキがいったの」
「?」
「『お姉ちゃんは必ずわたしがリアルに帰すから。何時までもお姉ちゃんの背中に隠れていないで・・・わたしもお姉ちゃんを助けたい』・・・そう言ったの。・・・その時わたしは何でこんなつまらないことを考えてパニックを起こしてたんだろうって思ったわ。・・・いつの間にかわたしはサキに追い抜かれて・・・今もずっとサキに頼ってる・・・ダメだよね、わたし?あの子のお姉ちゃんなのに・・・」
「・・・そうでもないよ」
「キリト君・・・」
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