第二十六話 ラミアの謎
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第二十六話 ラミアの謎
結局タケルは今回もマーグを取り戻すことはできなかった。仲間達は落胆する彼を何とか慰めながらゼダンに帰った。しかしそれでも彼は塞ぎ込んだままであった。
「タケルはどうだ?」
「駄目だ」
サンシローにリーが答えて首を横に振る。
「落ち込んだままだ、あのままな」
「そうか。仕方ないか」
「そうですね」
サンシローの言葉にブンタが頷く。
「折角これでお兄さんが戻ると思っていたんですから」
「皆で無理矢理引っ張り込むか?」
ヤマガタケは何となしにこう提案してきた。
「説得がこうも効果がないんだったらよ」
「いや、効果はある」
しかしサコンがそれを訂正させる。
「確実にな」
「そうなのか?」
「ああ、それは間違いない」
彼はピートにもこう述べる。
「だが。まだ効果がはっきりと出ていないだけだ」
「そうなのか」
「何度も説得していくしかない」
彼はこうも言う。
「何度でもな」
「けれどそれも」
ここでミドリが危惧した顔で述べる。
「あのロゼという副官がいるから」
「あのアマ」
ケーンが怒気を含んだ声を出してきた。
「何だかんだで邪魔しやがって。許せねえ」
「そうだそうだ」
タップも言う。
「あいつのせいでこんなに苦労しているんだ。今度会ったら容赦しねえぞ」
「だが向こうも必死なんだよな」
ライトが少し首を捻った。
「だから。そう簡単にはいかないぞ」
「それに」
今度はダバが口を開いた。
「ロゼはバルマーの中でもとりわけ強力な超能力の持ち主。油断はできない」
「そうなのよねえ、だから余計に邪魔なのよ」
アムが腕を組み顔を顰めさせた。
「十二支族の一つギシン家の出身だったかしら」
「そうだ」
彼女の言葉にレッシィが頷く。
「ポセイダル家と並ぶ名門の一つだ」
「家柄の問題じゃないけれど地位に見合った力はあるわね」
「あの女が副官でいるということ自体が問題だが」
「そこにタケルさんのお兄さんの問題もあるから」
今度言ったのはアレンビーであった。
「ややこしいわね、本当に」
「まずはロゼを潰すか?」
宙がふとした感じで言う。
「それなら一気に」
「いや、それはどうかな」
だが万丈がそれに異議を呈する。
「駄目なのか?」
「それはオーソドックスでいいけれど何か引っ掛かるんだ」
「引っ掛かる!?」
「うん」
また宙に答える。
「あのロゼという副官も彼の洗脳に関わっているんじゃないかな」
「じゃああいつを潰すのは駄目なのかよ」
「少し待っていて欲しいんだ」
万丈が言いたいのはそれであった。
「どうも気になってね」
「そうなのか。しかしそれだと」
「ロゼも手強いのはわかっているさ」
万丈はまた言う。
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