第二十話 謎の帝国
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に答える。
「いつも言っているが軍人というものは」
「命令に服従すべきですな」
「そうだ。ロンド=ベルならば私の能力も今まで以上に発揮させられる」
こうも述べる。
「だからだ。それには不服はない」
「ではどうしてまた」
「一緒にいる面々だ」
それについて不服だというのであった。
「何故あの一家なのだ?」
「あの一家ですか」
「そうだ。幾ら連邦軍が人手不足だと言っても」
彼は言う。
「あの様な胡散臭い連中をまた入れるものだ。連邦軍もいい加減になってはいないか?」
「それは気のせいでは?」
「いや、気のせいではない」
彼はまた言う。
「ロンド=ベルも多分にそうだがな」
「はあ」
「少なくとも正規軍には思えない。独立部隊と言えばそれまでだが」
「ですがその功績は」
「それは認める」
認めるしかなかったと言える。
「それはな。だが」
「それでもですか」
「あまりにもそのあり方が軍のそれには思えない」
彼が問題としているのはそこであった。
「全く以っておかしな存在だ」
「確かにそうですが」
「あそこにはナタル=バジルール少佐もいたな」
「ええ」
部下が彼に答える。
「そうですが」
「全く。バジルール少佐は何をしている」
どうやら彼はナタルを知っているようであった。
「名門バジルール家の者としてだけでなくその能力と人格を期待されているというのに」
「一時ティターンズにいましたし」
「それもな」
リーはそのことにも表情を険しくさせた。
「妙な話だと思う。しかも彼女がいてあの風紀とは」
「理解できませんか」
「私の買い被りか?」
こうも述べた。
「彼女ならばロンド=ベルを引き締められると思ったのだがな」
「早瀬少佐もおられましたが」
「彼女もいたな、そういえば」
リーにとってはさらにわからなくなる要因であった。
「彼女がいて収まらない部隊だとは」
「有り得ないですか」
「わからない」
リーはそう述べて首を傾げさせた。
「どうしてあれでまとまらないのかな」
「しかし功績はあげていますし」
「納得せざるを得ないか」
「しかも彼等の多くは軍人ではありませんし」
ロンド=ベルの特徴はそこにもあった。正規軍ではないというところである。
「ですから」
「そこも考慮してか」
「そうです」
部下は述べる。
「考えていかないと駄目なようです」
「わかった」
わかりたくないが答えた。
「彼等には私の故郷も守ってもらっているしな」
「北京ですか」
「そうだ。おかげで家族も助かった」
この前の異星人との戦いである。ロンド=ベルはその戦いで見事敵を退けているのだ。
「それには感謝している」
「それでは閣下」
「だが。引き締めるものは思いきり引き締める」
その考え
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