第十九話 シャピロの敗北
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のマーグの言葉には恐縮した。
「ただ私の考えを述べただけですので」
「けれどそれがいいんだ」
マーグは微笑んでロゼに告げた。
「ロゼのその考えがね。私は嬉しいんだ」
「有り難き御言葉」
今度はロゼが礼を述べた。
「その言葉だけで充分です」
「それでシャピロのかわりだけれど」
マーグはそこについて尋ねた。
「誰がいいかな」
「私が行きます」
ロゼは自ら申し出てきた。
「それで御安心下さい」
「君が?」
「無論今までの責務も果たします」
そうマーグに告げる。
「ですからどうか私に」
「いいのかい?」
マーグはロゼを気遣う目で声をかけた。
「それで」
「はい、喜んで」
だがロゼはこう言葉を返すのであった。
「是非共」
「他にアルフィミリィもいる」
「彼女ですか」
何故かロゼはその名前を聞いて顔を曇らせるのであった。
「何か問題があるのかい?」
「言いにくいのですが」
その曇った顔でマーグに告げる。
「どうも近頃」
「様子がおかしいのか」
「はい、ご注意下さい」
そう忠告するロゼであった。
「彼女のことも」
「少し調べてみるか」
マーグはロゼのその言葉を受けて述べた。
「彼女についても」
「それが宜しいかと」
マーグ達の中でも何かが動きだしていた。それもまた宇宙の中の大きな流れになろうとしていた。ただ誰もそれにまだ気付いていないだけであった。
第十九話完
2007・10・30
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