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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第十八話 シャピロ襲来
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「だが数ではまだこちらが遥かに上だ」
やはりシャピロは完全に冷静さを失っていた。普段の彼ならばこう判断したりはしない。
「このまま押し切れ。いいな」
「押し切るのですか」
「異論はあるか!?」
「い、いえ」
凄まれると階級が下ならば弱かった。彼もバルマーにおいてそれなりの爵位を与えられているからだ。やはりバルマーは階級社会なのである。
「それは」
「ないな。ではこのまま攻めろ」
彼はまた言う。
「わかったな。押し切るぞ」
「わかりました」
シャピロは頑迷なまでに指示を出した。バルマー軍はそのまま押し切りにかかる。しかしロンド=ベルはそんな彼等に対して派手な波状攻撃で向かいそれを防ぐのであった。
「今日のシャピロは普段のシャピロではないな」
それにアランも気付く。
「冷静さがないな、いつものな」
「どういうことですか、それは」
それに一矢が問う。
「冷静さがないって」
「見てみればわかる」
アランはそう一矢に述べた。
「いつものあの男ならあの時に一気に戦力を出さないな」
「そういえば」
一矢もその言葉に頷けた。彼も気付いたのだ。
「だが一気に出してきた。そうして損害が出ても向かって来る」
「そこですか」
「そうだ、そこだ。明らかに冷静さを失って指揮を執っている」
「あの言葉だな」
京四郎はそこまで聞くとすぐにわかった。
「藤原達の言葉か」
「それだ」
彼はアランにそう言葉を返した。
「そのせいだ。あの冷静さを失った様子は」
「プライドの高い男だが」
アランはシャピロのことをよく知っていた。だからそこに考えを及ばしたのであった。
「だとすれば。そのせいで今」
「だとしたらこっちには好都合だ」
京四郎はそう判断する。
「あの滅茶苦茶な指揮ならやりやすいってものだ」
「そうだな」
アランもそれに同意して頷く。
「それなら。そこに付け込むだけだ」
「いいか、一矢」
京四郎は今度は一矢に対して言う。
「このまま周りの敵を倒すだけでいい、わかったな」
「わかった」
一矢もその言葉に応える。
「後ろは頼むぞ京四郎、ナナ」
「わかった」
「任せておいて、お姉ちゃん」
二人もそれに応える。そうして遮二無二敵を倒すダイモスのフォローに回るのであった。
戦いは戦術もなく突っ込むだけのバルマー軍に対して敵の勢いを逆に利用して時として各個撃破に、また時として広範囲に攻撃を浴びせるロンド=ベルの攻撃が効果を出してきていた。そうしてそれが次第に彼等の優勢を揺るぎないものにしていっていたのだった。
「勝てるな」
シナプスは戦局を見て言う。
「それも思ったより遥かに楽にな」
「そうですね」
それにジャクリーヌも頷く。
「最初はどうなるかと思いましたが」
「やはり戦術だ」

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