その11
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ら、『うちは』は私の敵かもしれないし、私を利用しようとしているかもしれないのに。
私、ミコトさんの事は嫌いになれないかもしれません。
ほんの少し迷いを感じながら、私はミコトさんと一緒に作った料理を食べ始めました。
家族団欒の雰囲気の中、誰かと一緒に食べるって、こんなに温かい気持ちになるんだって、忘れてました。
美味しいのに、切なくて。
私の目から涙がもう一度零れ落ちます。
今度は零れた端から拭い取って、泣いてる事に構わずにご飯を食べ続けました。
誰も何も言いませんでした。
その優しさがとても私の心に沁みてきます。
私の涙に気付いているだろうに、何気ない風に食事を続けてくれるうちは一家に、私は自然に微笑みを浮かべていきました。
フガクさんにもいい所があるのは分かりました。
この家の人達、私、嫌いじゃないかもしれません。
この人達も木の葉の里の人達だけど、この人達は嫌いじゃない。
だから、ちょっとだけ、本格的に試してみようと思います。
この人達を大事に思えるか。
この人達を好きになれるか。
この人達を護りたいと思えるようになれるのか。
そうしたら、私、もしかしたら復讐しないで過ごすことができるかもしれません。
ちょっとだけ、本当に少しだけここの人達に期待してみようと思います。
後で裏切られたり、騙されたと分かったとしても、それは私が選択した事です。
この人達を大事に思えるようになっていたなら、それもありということにしよう。
そんな風な覚悟を胸に秘めながら、私はご飯を口に運びました。
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