A's編
第二十八話
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を取ることを考えるとお昼には帰らなければならなかったのだ。
僕が帰る直前、はやてちゃんは、何度もいつでも連絡してくれ、と念を押すように言う。もちろん、そのために携帯電話の番号も交換した。僕の携帯には、『八神はやて』という登録が一つだけ増えた。
そして、僕は、お昼ご飯を食べた後、こうして名残惜しそうな表情で見られながら、こうしてはやてちゃんの家を後にしているのだ。
はやてちゃんを振り切るように少しだけ早足で、曲がり角をまがった後、午前中で手に入れた情報について考える。
今日の午前中に知ったのだが、はやてちゃんは、現在、学校を休学中らしい。登録されている学校は、学区内の公立小学校だ。しかし、これはおかしい話である。もしも、病気であれば、休学という措置は正しいだろうが、はやてちゃんの問題は下半身が動かないことであり、あとは健康である。車椅子さえ使えれば支障はないはずである。ならば、小学校は義務教育であるため、休学は認められないはずなのだ。
なにより、現在は学校もバリアフリーが広がっており、はやてちゃん程度になんでもできるのであれば、学校に行くことに支障はないはずである。現に聖祥大付属小学校もバリアフリーの一環でエレベーターや専用のトイレも設置されている。
学校について聞いたのだが、はやてちゃんは、おじさんが管理しているからわからない、と返ってくるだけだった。それもそうだ。学校に関する手続きをはやてちゃんが管理しているわけがない。いくらしっかりしてようとも彼女は小学生なのだから。
しかし、本当にはやてちゃんに関してはわからないことばかりである。一つずつ解決していかなければならないだろう。家庭環境については僕が首を突っ込むことはできない。だから、とりあえず、関係ありそうな魔法について対処することした。
帰宅した僕は、早速、携帯電話からクロノ・ハラオウンと書かれた電話番号を探し出すと通話のボタンを押す。
無改造の電話であれば、クロノさんのところへは繋がるはずもないのだが、この携帯は、前回の魔法旅行のときに改造してもらって、クロノさんのところにも魔法で繋がるようになっている。また、ついで、とばかりにスペックが跳ね上がっており、三世代携帯のはずが、四、五世代にはなっているのではないだろうか。もはや、携帯という名のPCといっても過言で程のスペックだ。
『はい、クロノです』
「あ、クロノさんですか。お久しぶりです。翔太です」
『翔太君か。夏以来かな? それで、何か用事があるのかい?』
「ええ、実は相談事がありまして……」
『そうか……なら、ちょうどいい、というべきだろうな』
「どういうことですか?」
僕は、こちらが一方的に相談事を持ちかけているのにもかかわらず、ち
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