暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルってなんですか?
A's編
第二十八話 
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眠れないままはやてちゃんの部屋の天井を見ていた。その視線を今度は、横を向いてはやてちゃんの机の上に移す。正確には、机の本棚に置かれた黒い本に。

 さて、あれはいったいなんだろう? と思う。

 微量ながらに感じる魔力。おそらく、魔法に何かしらの関係があることは間違いないだろう。しかし、それが何なのかはわからない。そこまで魔法に詳しいというわけではないからだ。どうして、はやてちゃんの元にそんなものがあるのか、わからない。何らかの理由があって、はやてちゃんの家にあるのだろうが、それを聞く前に寝てしまったからだ。

 聞かなければいけないこと、といえば、はやてちゃんの家族は一体どうしたというのだろうか。

 はやてちゃんは、もうすぐ帰ってくると言っていたが、結局、僕たちがベットに入るころまで帰ってこなかった。それではやてちゃんが不安がるならわかる。しかし、彼女は、それが当然のように何も言わずにベットに入って安眠している。ならば、これが日常と考えたほうが妥当だろう。

 ならば、どうしたと考えるべきだろうか。

 可能性をあげるとすれば、彼女の両親がいないことをいいことに遺産を狙ってきた自称親戚という場合だ。彼女の遺産をもらうだけもらって、すべて手に入れたから、家族の振りをする必要もなくなったので、出て行った。彼女は、彼らが返ってくるのを信じている、というある種、最悪のシナリオである。

 まさか、そんなことはないだろう、とは思うのだが、事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものである。

 それに、先ほどの黒い本も気になる。ここに来るまでの結界魔法および仮面の男とはやてちゃんの家に魔法の本があるのは偶然と考えるのは不可能である。この地球―――クロノさんたちの言い方をすれば、第九十七管理外世界は、魔法という事象が起こることは珍しいのだから。僕となのはちゃんだけでも珍しいと思われていたのに、さらに海鳴に魔法があるのが偶然とは考えにくい。

 しかし、何かしらの関係性があったとしても、僕にはそれ以上の知識がない。やっぱり、クロノさんに連絡を取るしかなさそうだ。

 明日―――明日、クロノさんに連絡を取ってみよう。

 そんなことを考えながら、僕はようやく訪れた睡魔に身をゆだねるのだった。



  ◇  ◇  ◇



「またいつでも遊びに来てや」

 そう言いながら、僕を見送るはやてちゃん。

 泊まった次の日、僕は、昼食までの時間をはやてちゃんの家で過ごした。本当は、朝食を食べた後に帰るつもりだったのだが、やはりはやてちゃんの視線に逆らうことはできず、ずるずるとお昼まで過ごしてしまった。だが、今日は日曜日で明日は学校だということを考えると、今日は絶対に帰らなければならない。それに、クロノさんにも連絡
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