第4章 聖痕
第43話 異界化現象
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》。そう言えば、彼女、モンモランシーを、彼女の実家に送り届ける必要が有りましたか。
「大丈夫やで、モンモランシー。おまえさんを実家には送り届けるから」
そう答える俺。その後は、ガリアの王都に転移でもして、宿屋で部屋でも借りますか。明日からの事は、明日に成ってから考えたら良いでしょう。
まして、この魔法学院を呑み込んだ異界化現象は、俺やタバサが対処する必要も、そして、関わる事も拒否されて仕舞いましたから。
しかし、モンモランシーは少し首を横に振った。彼女の動きに合わせて、夜色の帽子が揺れ、金の長い髪の毛が紅と蒼の月の明かりの下で煌めく。
そして、
「御二方を、今夜、モンモランシー領の私の実家にご招待いたします」
金の髪を軽くかき上げた後、見事な貴婦人としての礼を俺とタバサに向かって行ったモンモランシーが、その台詞を口にする。
それは、そう。普段は、感じさせる事のない貴族と言う身分を感じさせる瞬間であった。
俺は、タバサを見つめる。これは、貴族としての正式な招待で有る以上、答えを返すのは俺でなく、タバサの方。
凛とした立ち姿から、優雅に腰を折り、貴婦人としての礼を行う蒼き姫。
モンモランシーが貴族の姫なら、彼女も然り。
そして、
「喜んでお招きに預かります。ミス・モンモランシ」
……と、そう告げたのでした。
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