第4章 聖痕
第43話 異界化現象
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う言うのなら、それは事実だと思いますしね。
闇の中に有って尚、闇の色を放つ異界化空間を見つめながらそう思う俺。そして、そのハルファスの答えは、オスマン学院長が施している五芒星を使用した結界術以上の呪力で世界が歪に改変されつつある、と言う事の証でも有りますか。
しかし、そんな俺の心配を他所に、呆気ないほどのさり気ない雰囲気で学院長の元に歩を進める蒼き姫。
そして、そんな彼女の後ろで、タバサと俺。そして、学院長と、異界化空間を困ったように見つめていたモンモランシーが、魔女の証、円錐の象徴たる帽子を軽く叩いた後、タバサの方に向けて、右腕を振るった。
刹那、タバサの周囲。大体、三メートル四方ほどの空間の呪力が浄化される。
……彼女が施したのは、おそらく一種の結界術。そして、振るわれた右手から放たれたのは、ヤドリギの矢。
月の女神に祝福されしヤドリギは、彼女の……魔女の魔法には必須。そして、施されたそれが簡易結界で有ろうとも、そんなに長い時間、ここに滞在するのでなければ問題は有りません。
「戻って来た早々で悪いのじゃが、この一件が片付くまでは、学院は臨時休校が決まった。例え何人で有ろうとも許可なく立ち入る事は厳禁じゃ」
杖を構え、学院長の霊気……。質としては、蒼に近い色を放っているように感じるのですが、彼から発した霊気がそれぞれの属性の塔の位置に流れ、絡み合っているのが判る。
……但し、精霊の悲鳴は聞こえない。つまり、今、学院長は、系統魔法とは違う種類の魔法を使用していると言う事。
初めて学院長が魔法を使用している場面に遭遇しましたが、この爺さんも一筋縄で行く相手ではない、と言う事なのでしょう。
「何が起きているのですか、学院長」
呪力を遮断する結界を施した後、タバサの傍にまで歩みを進めた金の魔女が、一同を代表するかの如く、オスマン学院長にそう問い掛けた。当然、最初に為すべき質問を……。
但し、その質問の明確な答えが返されるとも思えないのですが。
「判らん」
少し首を横に振り、短くそう答える学院長。その横顔には、少しの消耗の色が浮かぶ。
そして、その答えは、俺の予想通りでも有りました。
何故ならば、何が起きているのかが判っているのなら、こんな霊力を消耗するような方法を用いて呪力が撒き散らさせられる事を防ぐようなマネをせず、事態の中心。異界化を広げている原因を断つ方法を取っているはずですから。
呪の核……つまり中心が、いずこかの主神クラスの存在か、何らかの呪物かは判りませんが、外から対処するよりは、中に侵入してから対処する方がロスは少ないはずです。
但し、その際の危険度も跳ね上がるのですが……。
例えば、この世界に召喚された最
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