第4章 聖痕
第43話 異界化現象
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何らかの結界と言う類の物ではないのでしょうか。
「あれは、もしかすると、魔法学院に何らかの異界化現象が起きている、と言う事なのかも知れないな」
俺の呟き。それは、ため息にも似た呼気と共に虚空へと消え、濃密な呪に支配される空間に散じて仕舞った。
そんな、俺の呟きに反応する金と、蒼銀の少女たち。
金の少女の方は何か思い当たる現象が有るような雰囲気を発し、蒼銀の少女の方は……。微妙な気を発して居る。
いや、彼女とは、俺と共に同じような現象に何度も取り込まれていましたか。その今まで巻き込まれて来た事件を外側から見たら、と言う想像力が働けば、現状は理解出来るかも知れませんね。
「異界化。閉鎖空間。魔界化。呪波汚染。色々な呼び方が有るけど、大体、同じような現象の事だと思って間違いない」
そう。先に挙げた事象の原因は、異界の存在が現世に顕われるか、顕われようとしたから起きる異常事態。
今回の魔法学院を包んでいる闇色のドーム状の何かも、魔法学院内で何かが起きて、その結果、あのような状況に成った可能性が高い。
もっとも、これほど内と外、と言う明確な区切りが判る異界化現象と言う物に遭遇したのは初めてですが。
まして、この世界に来てからは、異界化現象の当事者として事件に巻き込まれるばかりで、外から干渉する事も、おそらくは初めての事と成るとも思いますし。
「何者かを異界より召喚しようとしたのか。それとも、何か呪いのアイテムを誤って使用して仕舞ったのか」
俺は、そう言葉を続けた。
まして、あそこは俺が四月まで暮らして来ていた地球世界の学校とは違う、魔法を教える学院。呪物を納めて置く宝物庫も有れば、魔法自体も使用している。
更に、ここは西から東に抜ける地脈が流れている龍脈の龍穴でも有ると思います。なので、ここよりも西。トリステインの王都や、そこから更に西で発生した……。
いや。もっとも、そんな思想は、このハルケギニア世界には存在しない可能性の方が高いですから……。
「魔法学院はレイ・ラインのホワイトホールに建てられた物ですから、レイ・ラインを通じて、何処か別の場所で誕生した異物が、ここで実体化しようとした可能性も有りますね」
俺が、この世界に霊気の流れを読む方法などない、と結論付けようとしたその瞬間、西洋風の風水師。ケルトの魔女であるモンモランシーがそう言った。
そう言えば、ベレイトの街では、俺よりも彼女の方が詳しい部分も有りましたしね。確かに、彼女にならば、龍脈や龍穴と言う単語に対応する、レイ・ラインやホワイトホールなどと言う単語を知って居たとしても不思議では有りませんか。
そんな俺とモンモランシーのやり取りを見つめていたタバサが、少し視線を逸らした。
完全に、夜が
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