第4章 聖痕
第43話 異界化現象
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俺と共に居る彼女を、何事か厄介事に巻き込んで行く事となるでしょう。
まして、タバサとの約束も有りますから。この問題に関しては、彼女と共に対処すると言う約束が。
「そうか。それやったら、学院に帰ったら、最初に晩御飯からやな」
まして、俺には転移魔法が有るから、会いたければ、何時でも会いに行けますしね。
そう簡単に考えながら、タバサに対して告げる俺を、少しその瞳の中央に映した後に、ゆっくりと首肯いて答えてくれるタバサ。
普段通りの彼女の仕草。
そして、その俺とタバサのやり取りを見つめる金の髪を持つケルトの魔法少女。
但し、その瞳には、少しの哀が浮かび、そして、その感情は哀しみに似た色を放っているような気がした。
☆★☆★☆
黄昏。いや、誰ぞ彼の方がしっくり来るか。
その暗さ故に、正面に近寄って来ているのが誰か判らなくなった為に、そう呼ばれるようになった時間帯。
いや、今の雰囲気には、もっと近い言葉が残っていましたか。
逢魔が刻。……と言う言葉が。
上空から見下ろした先には、十日以上ぶりに帰り着いた五芒星の形をした中世ヨーロッパ風の城が存在しているはずなのですが、其処には、闇色をしたドーム状の何かが存在しているだけで、他には人工的な物は存在しては居なかった。
そして、近付けば近付くほど伝わって来る違和感。
ねっとりとした何かが肌に纏わり付くような感じで、非常に不快。
そして、それは普段は、草原を抜け、林の木々を揺らす風の質までも変えている。
「シノブさん」
ベレイトの街で共にまつろわぬ霊を慰撫し、それらの魂を鎮める任務に就いていた闇色の帽子に金の髪の毛を隠したケルトの魔女が、遙か下方に存在する物体を瞳に映しながら俺の名を呼ぶ。
そして、我が蒼き姫も、その声とほぼ同時に俺を視界に収めた。
「何かは判らないけど、魔法学院に異常事態が発生している、と言う事だけは確実やな」
上空三百メートルぐらいの地点で、闇色のドーム状の物体の周りの旋回を繰り返しながら、そう蒼と金の少女に告げる俺。
そして、そこから地上の観察。あの闇色のドームが夢の中に顕われたショゴスと同じ種類の存在ならば、ここでも安全とは言えないのですが……。ただ、肉眼や、更に能力を用いての調査には、ある程度の距離まで近づいて置く必要が有りますから。
それで……。大きさとしては、大体、直径にして五百メートルぐらい。高さも百メートルとは言いませんが、五十メートル以上は優に有るように見えます。完全に学院の建物全てを呑み込んで御釣りが来る。それぐらいの大きさですか。
そして、気を発する種類の物では有りますが、この闇色のドーム自体は生命体ではないように思います。どちらかと言うと、
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