第51話
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いだろうな?」
麻生の問いかけに神裂が答えようとしたとき。
「んにゃー、麻生が心配しなくてもオレがちゃんとしておくから心配しなくてもいいぜよ。」
聞きなれた声が後ろから聞こえた。
一〇メートル後ろには短い金髪をツンツンに尖らせて、青いサングラスをつけた、アロハシャツにハーフパンツの少年、土御門元春が立っていた。
「本当だろうな?」
再度、麻生は土御門に問いかける。
土御門は笑みを浮かべながら答える。
「心配しなくても大船に乗ったつもりでいいぜよ。
オレも無用な戦いは避けたいからにゃー。」
そうか、と麻生は答える。
神裂は刀に手を伸ばしながら土御門に言い放つ。
「私を止めに来ましたか?」
対する土御門は子供のように邪気のない笑みを浮かべている。
「別に睨まんでもいいぜよ。
オレはねーちん個人を止めるように言われていない。
ねーちんが問題を起こそうな事柄に先回りして排除しろと言われているけど、ああ心配しなくても麻生の件もちゃんと排除しとくぜい。
それに、こっちはこっちで仕事があるんだぜい。」
「仕事・・・ですか?」
「そ、ローマ正教と天草式がドンパチしている隙に、その横から「法の書」の原点を掠め取って来いっつーありがたい命令ぜよ」
「それはイギリス清教と学園都市、どちらの命令ですか?」
「さあってね。
ま、常識的に考えればすぐに分かると思うぜい。
普通に考えて、魔道書を欲しているのは魔術世界と科学世界、どっちでしょーかー?
オレがどっちのスパイなのかを考えりゃすぐに分かるわな。」
両者の間に熱帯夜の風すら凍りつきそうな、恐るべき空気が周囲を支配する。
その空気を破ったのは以外にも麻生だった。
「それでこれからどうするんだ?」
へ、と神裂は声を上げる。
それを聞いた土御門は笑いを堪えている。
神裂は土御門を一瞬睨み付けて麻生の方に視線を向ける。
「これからローマ正教と天草式が戦闘するであろう所を観察できるところまで移動します。」
「偉く回りくどいな。」
「私は彼らの前に姿を見せる資格がありませんから。」
神裂はそこから黙り込む。
麻生は頭をかいて神裂の肩を軽く叩く。
「それじゃあ、その観察できる所まで移動するか。」
「あ・・・」
麻生は何も言わない。
神裂は麻生が近くにいれば前に麻生が言った言葉の意味が分かると思ったがそんな事はなかった。
麻生は何も言わない、ただ神裂が傍にいてくれと頼まれたから傍にいるだけ。
ただそれだけだ。
そんな簡単なことに今更気づいた神裂は何やら胸の奥がチクリと痛んだ気がした。
神裂は麻生について行こうとするが周りでのびている騎士達をどうすればいい
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