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SAO−銀ノ月−
第三十七話
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振ることで答えるしか出来なかった。

「う、嘘……まさか、ヘルマンが……」

「きゃっ!」

 アリシャが言葉を最後まで発し終わる前に、俺たちが話し込んでしまっていた間にPohの足止めをしてくれていた……更に言うと、先程Pohにチャクラムを放ってくれた……リディアが包丁にてダメージを受けて俺たちの場所へと後退してきた。

「Hey.もうfinishかよ?」

 包丁の腹で肩を叩く動作は癖なのか、ポンポンと叩きながらPohは俺たちの下へ近づいてきていた。

 戦闘要員であったクラウドとヘルマンは……今はおらず、俺は日本刀《旋風》が折られてしまったために戦闘不能、アリシャは元々戦闘要員ではなく、リディアは今やられたことで証明されたように、《チャクラム》と《体術》という特殊な武器種的にPohの相手は難しい。

「来ないなら……コッチから行かせてもらおうか」

 対抗手段を考える隙を与えてやるような義理はPohにあるはずがなく、無慈悲にもその凶刃が、またも俺たちに振り下ろされることとなった……アリシャを、標的にして。

「……ショウキ!」

「くっ……アリシャ!?」

 標的にされたアリシャの行動は、Pohの包丁から身をかわすことではなく、横にいた俺に当たらないように俺を突き飛ばして俺が包丁に当たらないようにし、自身はPohの包丁の前で一瞬の隙を立ち止まってしまう。

「……バカ野郎ッ!」

 アリシャを庇ってその華奢な身体を突き飛ばすか、それともアイテムストレージから予備の日本刀を取りだしてPohに斬りかかるか、それとも……と、考えあぐねている間にもアリシャへと死神の凶刃は迫っており、悠長に考えている暇はないと考えることにし、アリシャを突き飛ばしにかかった……が、先約がいた。

「……悪いけどこの子は……やらせないわよ」

 顔に笑顔を貼りつかせたチャクラム使い、リディアである。
アリシャの代わりに包丁をその身に受け止めると共に、チャクラム使いには必須である《体術》スキルの一撃を、それもかなり密着しないと放てないような強力な上位スキルをPohの腹に直撃させ、かなり遠くへ吹き飛ばした。

 包丁が自らを斬った隙をついた、まさに肉を斬らせて骨を断つという技だったのだが……元々HPゲージを減らしていたリディアにとってはそれどころでは済むわけがなく、命を斬らせて骨を断つ、と言った方が正しかった。

 その証拠に、リディアのHPゲージはもはや、レッドゾーンを下回っている……消滅するのは、時間の問題だった。

「リディア……ッ!」

「ふふ……アリシャにショウキ。アナタたちは生き残りなさい。それがお姉さんからの最期の遺――」

 パリン、あまりにもあっけない音をたてて、今話の際まで最期まで笑顔だ
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