一刀の刀
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。」
「他を当たれ。
儂の他にももっといい鍛冶師がおる。」
そう言って、奥に戻ろうとする。
「簡単には引き下がりませんよ。
この刀を複製できる職人を捜しているのですから。」
鞘から刀を抜いて、老人に見せると彼の眼の色が変わった。
「そ、その剣はッ!?」
持っていた道具を床に捨て、俺の刀に近づき注意深く観察している。
「えっと・・・・・」
「もっと良く見せてくれんか?」
「ど、どうぞ。」
刀を渡すと刀身を指で叩いたり、軽く振るなど細かい所まで見ている。
納得したのか刀を返してきた。
「この剣の複製を望んでいるのだな?」
「え、ええ。」
鞘に刀を収めながら答えた。
「それに興味が湧いた。
明日、またここに来なさい。」
それだけ言って、落ちている道具を拾い奥に戻っていく。
展開について行けず、数分の間その場に立ち尽くす。
「何か分からんが、上手くいったみたいだな。」
とりあえず納得して、俺は警邏に戻った。
次の日。
昨日と同じ時間に訪ねてみると、俺を待っていたのか老人が立っていた。
手には鍔の柄が大陸独特の形になった刀が握られている。
「これは・・・・」
「儂なりに作ってみた。」
「少しだけ振らせてもいいですか?」
「構わん。
だが、壊すなよ。」
刀を受け取り、抜刀。
二、三回素振りをして思った感想は。
(少し重いけど、今まで振ってきた中ではダントツに出来がいい。
これなら一刀も問題なく扱えるはずだ。)
鞘に刀を戻しながら俺は聞く。
「この刀・・「お主に授けるよ。」・・・・いいんですか!?」
俺が詰め寄るように聞いて、少し驚きながらも頷く。
「最初から渡すつもりだったからの。
珍しい剣を見せて貰ったから、その礼と思ってくれ。」
「お代は。」
「そんなものはいらん。
依頼される前に勝手に作ったんじゃからな。
さぁ、用が済んだら帰ってくれ。」
しっしっ、と虫を払うかのように手で払う。
深々と一礼して、俺はこの店を出て行った。
早速、俺は警邏何て仕事は放りだして、城に戻る。
今の時間だと自室で政務だな。
一刀の部屋に着くと、ノックなしで扉を開ける。
「うおっ!?
って、縁か。」
級に扉が開いて驚くが俺の顔を見て、何か納得した顔をする。
これは後で色々と聞かないとな。
そんな事は置いておいて。
「今から中庭に行くぞ。」
「修業か?
でも、華琳に頼まれている事が。」
「そんなの関係なし。
ほら、行くぞ。」
強引に腕を掴んで、無理矢理引っ張る。
そのまま中庭まで連れて行き、作って貰った刀を渡す。
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