第十五話 血の狼煙
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そこからバルマーの軍勢が」
「その可能性は高い」
それが彼の結論であった。
「常に監視を怠ってはならない」
「はい、それでは」
「暫く君達にはあの方面で頑張ってもらいたい。必要とあらば、そしてその方法がわかればの話だが」
「どうされよと」
またシナプスが問う。
「あのゲートを破壊してくれ」
そういうことであった。
「いいな」
「了解」
「それでは」
「ではな。ユリカ」
最後に予定調和のようにユリカに声をかけてきた。
「無理をするんじゃないぞ。お父さんはな、お父さんはな」
「安心して下さい、お父様」
だが当のユリカはいつものように能天気であった。
「私は大丈夫ですから」
「しかしだな、ロンド=ベルは最前線だ」
また言う。
「だから。御前に何かあればお父さんは」
「皆さんがおられますし」
ユリカは仲間を信頼していた。
「何もありませんから」
「だったらいいのだがね。やっぱり」
「私に似てる方もおられますし」
「こほん」
ナタルがその後ろで咳払いをした。
「むっ、バジルール少佐」
「閣下」
ナタルは堅苦しい動作と声でミスマルに声をかけてきた。
「ミスマル艦長は立派な方ですので。御安心を」
「そうなのか」
まだ心配なのがはっきりとわかる。
「それならばいいのだがな」
「はい。ですから」
「それはそうとだ」
ミスマルは元の顔に戻ってナタルに声をかけてきた。
「貴官の兄上だが」
「兄が。どうかしましたか?」
ナタルの顔が急に曇ってきた。
「今度結婚するそうだ」
「えっ!?」
ナタルはそれを聞いて目を点にさせた。
「今何と」
「だから結婚するのだ」
ミスマルはまた彼女に告げる。
「お相手はだな。かなり奇麗な方で」
「それは本当ですか」
それを聞いてもまだ信じられないといった顔であった。
「兄が。あの兄が」
「何か不思議なのか?」
ブライトがナタルに問う。
「私と大して変わらない歳の筈だが、バジルール中佐は」
「それはそうですが」
ナタルの兄も軍人だ。階級は中佐だ。
「それでも。あのいい加減な兄が」
「おいおい、バジルール少佐」
アムロが驚きを隠せないナタルに苦笑する。
「それでも結婚はできるぞ」
「はあ」
「だからそれは関係ないんじゃないかな」
「私はもっと若くして結婚したしな」
ブライトが言う。
「それでもう二人の子持ちだ。アムロ」
「おっと、俺はまだそこまで歳を取っちゃいないぞ」
苦笑いのままだった。最近ブライトにしきりに言われているのだ。
「生憎だがな」
「いや、しかしな」
それでもブライトは言う。
「結婚していると何かとだな」
「とにかくです」
ナタルはムキになった顔でミスマルに言う。
「兄に伝えておいて下さい」
「
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