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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第十三話 ゲート
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「ふん、やっとか」
巨大な戦艦の司令室において男は報告を受けていた。
「ようやく準備が整ったのだな」
「はい」
報告する部下はそれに応えた。
「遅れて申し訳ありません」
「全くだ。この責任は取ってもらうぞ」
「はっ」
部下は恐縮して頭を垂れる。
「それは」
「前線に行け」
男はそう部下に告げた。
「わかったな」
「はっ、それでは」
「そしてだ」
男はさらに言うのだった。
「イングラムだったか」
「あの者が。どうかされましたか?」
「まだ行方はわからないのか」
どうやらイングラムのことを知っているようであった。あえて名前を出していた。
「何処にいるのか」
「はい、全く」
部下は首を横に振って答える。
「何処にいるのかさえ」
「死んだのか?」
男はそれを聞いてこう呟いた。
「やはり。あの時で」
「普通に考えればそうです」
部下はこうも述べた。
「やはり。ガンエデンとの戦いの中で」
「そうだな。しかしだ」
だが男は言うのだった。
「イングラム=プリスケンだ。万が一ということもある」
「生きていると」
「そうだ。あのアストラナガンも」
声に憎悪がこもっていた。
「存在しているかも知れぬ。探し出せ」
「はっ、ではそちらも」
「門が開き次第まずは斥候を送れ」
そのうえで指示を出した。
「いいな、すぐにだ」
「ではゴラー=ゴレムの中から出させます」
「うむ、それからだ」
男は言った。
「本軍が動くのはな。既にマーグも動いているだろう」
「そのようです」
部下はそちらについても報告した。184
「既に地球に向かっておられるとか」
「目障りな」
男はその報告を聞いて露骨に嫌悪感を示してみせた。
「裏切り者の息子が。父上の引き立てて司令官になれたというのに」
「ですが閣下」
「何だっ」
部下の言葉に荒々しく声を向けた。
「マーグ司令もまた強い念を持っておられます」
「それがどうしたっ」
声がさらに荒々しくなる。どうにも傲慢さが感じられる声であった。
「ですから宰相も引き立てられたのではないでしょうか」
「貴様、俺に異を唱えるのか」
声に不機嫌さが見る見るうちに増していく。
「兵士の分際でっ」
「いえ、それは」
部下は怯える声でそれを否定した。
「そのようなことはありません」
「まことか?」
「はい」
怯える声のまままた否定してみせた。
「ですから。また」
「ふん、まあいい」
とりあえずは矛を収めたのであった。
「では。すぐに送れ」
「わかりました」
話が斥候に戻っていた。
「いいな。それから俺も行く」
「はっ」
何かが動こうとしていた。地球からは見えないところで。それが大きなう
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