第十二話 龍を喰らうもの
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の動きを見ながらの言葉である。
「速いだけじゃなくて切れもあるねえ」
「ならばどうする!」
ゼンガーはその彼に対してまた言う。
「避けるか?それとも」
「この場合は避けさせてもらうよ」
「なっ!?」
クスハはその言葉に思わず声をあげた。
「そんなに大きいのに」
「いやあ、それは関係ないんだよ」
笑ってクスハに述べる。
「大きさはね。この真龍王機には」
「大きさは関係ない!?」
「その通り」
今度はブリットに答える。
「さあ、じゃあ避けてみせよう」
「チェストーーーーーーーーーッ!」
そこにダイゼンガーの袈裟斬りが来る。しかし孫はそれを見事に横にかわしてしまったのだった。彼自身の言葉通りに。
「ほらね」
「何っ!!」
「本当にかわすなんて・・・・・・」
ブリットとクスハはそれを見て声を失った。その巨大な姿からは想像もできない素早さであった。
「これでわかってもらえたかな」
「あんなに早く・・・・・・」
「しかもゼンガーさんの攻撃を」
「確かに凄い攻撃だね」
それは認めてみせた。優越感をもとに。
「けれど。それじゃあ僕は倒せないよ」
「言うだけはあるということか」
攻撃をかわされたゼンガーはそれでも冷静なままであった。その冷静さで以って孫に言う。
「俺の攻撃をかわせる者はそうはいない」
「いやいや、僕だって紙一重さ」
その言葉にも余裕と優越感が見られた。
「もっともその紙一重が重要なんだけれどね」
「その凄みのある笑みだな」
レーツェルは今の孫の顔を見逃さなかった。
「どうやら貴殿の本性はかなりのもののようだな」
「さて、それはどうかな」
またとぼけてみせてきた。
「ただわかっているのは君達がここで僕に敗れることだけだけれどね」
「まだそんなことを!」
ブリットはその挑発に乗ってしまった。
「言っているのか!」
「駄目よブリット君」
クスハは激昂を見せたパートナーを制止した。
「ここで挑発に乗ったら」
「くっ・・・・・・」
「その通りだ」
ここで誰かの声がした。
「今は挑発に乗るな。この男は明らかに手強い」
「その声は!?」
ゲシュペンストが姿を現わした。しかも二機。
「リンさん、それに」
「へへへ、俺もね」
イルムもいた。二人が戦場に姿を現わしたのだった。
「あまりにも帰りが遅いので来てみれば」
「案の定厄介な敵がいたってわけか」
リンとブリットはそれぞれの言葉で述べてきた。
「孫光龍だな」
リンは孫と彼の乗る真龍王機に顔を向けて問うた。
「覚えている。ガンエデンとの戦いの時だったな」
「ご名答」
またおどけての軽い言葉だった。
「その通り。覚えていてくれるなんてね」
「あの戦いの後姿を消したが」
リンは孫の言葉に応えずにこう言葉を
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