第八話 混沌の大地
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注目する。
「もう一つ勢力があるんだ」
「もう一つ」
「それは一体」
「ゲストさ」
「ゲスト!?」
「彼等か」
ゲストという名前を聞いてエイジの顔が変わった。
「インスペクターと同じ星系の勢力だったな」
「そうさ。奴等は同じ兵器を使ってるしね。ひょっとしたらね」
「そのゲストって組織は何なんだ?」
ショウはレッシィにそれを尋ねた。
「インスペクターと同じ星系の知的生命体で兵器も同じだというのは聞いたけれど」
「政治的な理由で対立しているのさ」
レッシィはそう説明した。
「そういえばわかるかい?」
「ああ、それなら」
ショウも他の面々もこう言われて納得して頷いた。
「そう言われればね」
「地球にもよくあるか」
「まあそういうことさ。けれどゲストはちょっとまずいね」
「まずい?」
「どうして」
「奴等の指揮官がまずいんだ」
レッシィは顔を曇らせてそう延べた。
「ティニクエット=ゼゼーナンっていうんだけれどね。これが酷い奴で」
「酷いって?」
マーベルが彼女に問う。
「どんな感じからしら」
「あれなのか?」
一矢もレッシィに問う。
「あの三輪みたいな奴なのか?」
「偏見はあそこまでいってるね」
レッシィは顔を顰めさせて一矢に答えた。その整った顔が歪んでいる。
「最低の奴さ。自分達以外は人間と見なしちゃいない」
「そうか、やはりな」
「何かそういう奴って何処にでもいるわね」
アムが顔を顰めさせて言った。
「本当に」
「そうだな。残念な話だ」
ダバも顔を曇らせていた。
「何処にでもいる。ポセイダルのような存在も」
「しかしよ。そんなのが地球に来るってよ」
キャオがここで言った。
「またまた話がややこしくなってくるぜ」
「そういえばあれよね」
アムがレッシィに言う。
「何だ?」
「バルマーは一般市民を狙う指揮官とそうでないのの差が激しいわよね」
「言われてみればそうだね」
レッシィもそれに頷く。
「あいつだったかな。ユーゼス」
「ああ、そいつさ」
リュウセイの顔が険しくなる。
「とんでもねえ奴だったぜ。最後はラオデキアに粛清されたけれどな」
「地球人の命を何とも思っていなかったんだ」
「そうかと思えば君のお兄さんは」
「うん」
タケルはダバの言葉に頷いた。
「奇麗な戦争をするね」
「兄さんは本当は優しい人なんだ」
それは彼が最もよくわかっていた。
「本当は戦争なんか」
「そうか」
「その兄さんが関係ない人達を巻き込む筈はない。俺にはわかるんだ」
「いいね、その絆」
レッシィはタケルのその言葉を聞いて優しく笑った。
「あたしにはそういうものがないから。羨ましいよ」
「何言ってるの、レッシィ」
横からクェスが言ってきた。
「クェス」
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