第四話 竜魔帝王
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派遣しておく」
「わかりました。ではそのように」
「そうだ。では頼むぞ」
「はい」
フローラはあらためて彼に応える。
「敵となるか味方となるかわからないのですから」
「鬼だというのはわかっている」
帝王は思わせぶりに述べてきた。
「鬼!?」
「そうだ、奴等は鬼だ」
こう言うのである。
「鬼の一族なのだ」
「鬼、ですか」
「そうだ。詳しいメンバー等を調べておくのだ」
彼はそうフローラに命じる。
「わかったな」
「はっ、それでは」
「うむ」
こうして竜魔帝王の次の作戦が決まった。彼等は地下で全てを決めていた。それはロンド=ベルには全くわからないことであった。彼等は地下にはいないのだから。
その頃ロンド=ベルはトウマとミナキの歓迎パーティーを開いた後だった。しかし彼等の多くはかなり浮かない顔をしており何人かは青い顔をしていた。
「まさかなあ」
「そうですね」
キースにボーマンが応えていた。
「彼女もああだったとは」
「何かお約束ではあるな」
「大丈夫、二人共」
そこにセランが来て二人に尋ねる。
「かなり辛そうだけれど」
「ああ、俺は大丈夫だ」
キースはそう彼女に返す。
「何とかな」
「そうですか。兄さんは?」
「僕も一応はな」
あまりそうは見えない顔で妹に述べる。
「大丈夫だ。しかし」
「ミナキさんの料理も地雷でしたね」
「ああ、それもとんでもないレベルのな」
「何か意識が遠くなったぜ」
リュウセイが言う。
「あんなもん食ったらよ。流石に俺でも」
「リュウセイサンドイッチ一切れだけだったよね」
アヤがその彼に問うた。
「確か」
「一切れでも劇薬は劇薬だぜ」
しかし彼はこう返す。
「そんなもん食ったらよお。やっぱり」
「全くだ」
ライも沈痛な顔で言うのだった。
「マリュー艦長のそれに匹敵した」
「大丈夫なのはあの三人だけか」
レビはオルガ、クロト、シャニの三人を見ていた。見れば彼等はいつも通り平気な顔をしてミナキの料理を食べている。
「おお、こりゃうめえぜ」
「そうだね」
「・・・・・・いける」
それぞれ手掴みで乱暴に口の中に入れての言葉であった。
「あんた可愛いだけじゃねえんだな」
「料理の才能もあるよ」
「そうだ」
「有り難うございます」
ミナキは三人のその言葉に笑顔になる。
「じゃあどんどん食べて下さい。まだまだありますんで」
「おう、じゃあな」
三人はそのままミナキの料理を食べ続ける。周りの皆はそれを見て顔を顰めさせていた。やはりここもいつものパターンであった。
「何かあの三人だけは何があっても死にそうにないわね」
アスカが三人を見て言う。
「一体どういう胃袋してるのよ」
「そういえばアスカの料理も美味しいって食べてたわよね」
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