第二十一話 想い人は誰!?その一
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想い人は誰!?
彰子は本当におっとりした女の子である。個性派しかいないこのクラスの中ではそのおっとりさで個性を発揮していると言っていい。
「やっぱり彰子ちゃんはさ」
クラスでは遊び人とされているダイアナが述べる。
「お嬢様なのよね」
「そうそう」
それにジュリアが頷く。彼女も結構遊ぶ系列だ。
「お嬢様はやっぱりおっとりで」
「例外もいるにはいるけれど」
「って私?」
ペリーヌが二人の話を聞いて自分を指差してきた。
「若しかして」
「ええ、そうだけれど」
「わかった?」
「随分失礼なこと言ってくれるわね」
ペリーヌはその話を聞いて不機嫌な顔を見せてきた。
「失礼しちゃうわ」
「けれどさ」
「同じおっとりでも」
ここで彼女達の目は別のお嬢様に向けられた。
「訳わからない世界の人もいるし」
「あんたはまだわかるからいいわよ」
その視線の先にはセーラがいた。彼女は従者二人を連れて何か得体の知れないオーラをその全身に纏っていた。
「何してるんだろね」
「さあ」
何かわかったら怖い気もするので言葉もかけられない。最早セーラはクラスでも最高級の変人としてその地位を築いてしまっていた。
「それでよ」
ジュリアが話を戻してきた。
「彰子って何か遊んだような話がないわよね」
「そういえばそうよね」
ダイアナもそれに頷く。
「そういう話は本当にないわよね」
「ああした性格だからかしらね」
ペリーヌも言う。
「けれどさ」
彼女はそのうえでまた述べた。
「誰にも興味ないなんてことはねえ」
「幾ら何でもね」
ジュリアとダイアナは言い合う。
「有り得ないわよね」
「けれどさ、ひょっとしたら」
ここでダイアナはくすりと笑ってきた。
「何?」
「レズなのかも、彼女」
「えっ!?」
ダイアナのその言葉にジュリアとペリーヌは一瞬言葉を止めた。それから少し時間を置いて言い返した。
「まっさかあ」
「有り得ないわよ」
「そうかしら」
だがそれでもダイアナは言う。
「うちにだってビアンカがいるしさ、同性愛者」
連合では至って普通なのである。だから有り得ないというわけでもない。ちなみに同性愛に関してはエウロパでも同じである。同性愛者の総統補佐官までいる位である。
「ひょっとしたらよ」
「ひょっとしたら」
「それじゃあさ」
ここでペリーヌはとんでもないことをイメージしてきた。
「明香ちゃんとの姉妹なんてどう」
「ああ、何かそれって」
それを聞いたジュリアが面白そうに応えてきた。
「何か絵柄的にはいいわよね」
「美人姉妹のレズビアン。これって中々」
「とんでもない背徳ね」
しかしそれはアンによって全否定さ
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