第二十話 転校生は美少女だけれどその二
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まだ新任の先生であるが物の弾みでこのクラスの担任であった。例え側に特撮ものの悪役が出ても動じないような人物である。かなりの傑物なのか変人なのかは意見が分かれるところだ。
「皆さん」
「あっ、先生だ」
「諸君、席に着こう」
学級委員のギルバートが声をかける。それを受けて皆席に着いた。
挨拶の後で先生はこう話を出してきた。
「まずは皆さんにお知らせしたいことがあります」
「おっ」
「じゃあ」
「転校生を紹介します」
「やっぱりね」
「話は本当だったんだ」
クラスの面々は先生の話を聞いてにこにこと笑っていた。どんな娘が来るのか楽しみにしているのである。
「それじゃあどうぞ」
先生が教室に入るように言う。そして黒く長い髪に森の様に澄んだ緑の瞳を持つ奇麗な少女が入ってきた。その褐色の肌も細かく実に美しかった。青緑のドレスに白いソックスも実に似合っている。
「おおっ」
「これはかなり」
男達は彼女を見てまずは唸った。
「予想以上だよな」
「ああ」
口々にそう囁き合う。
「こんな奇麗な娘だったなんてね」
「流石にねえ」
女組も同じだ。誰もが予想以上の事態に驚きを隠せなかった。
だが。予想以上の事態はこれで終わりではなかった。
「なぬっ!?」
「何、この人達」
しずしずと歩く少女の後ろから屈強な大男とメイドがついて来たのである。その二人を見てクラスの面々は目が点になってしまったのだ。
「はじめまして」
少女は教壇の中央に着くと合掌の礼をしてから挨拶をした。マウリア式の礼である。
「セーラ=シヴァです。マウリアから来ました」
「セーラさんよ」
先生も説明する。
「皆さん、宜しくお願いします」
「え、ええ」
「こちらこそ」
クラスの面々はとりあえずは挨拶を返した。
「セーラさんはこちらに留学することになったから。皆宜しくね」
「あの」
ダイアナが戸惑いながらも手をあげてきた。
「ちょっと聞きたいことがあるんだけれど」
「どうしたの、ダイアナさん」
先生がそれに尋ねる。
「セーラさんだけよね、転校生って」
「はい」
「それじゃあさ。その」
実に言いにくいが言わざるを得なかった。
「その、後ろにいる人達は何なのかなあって」
「従者兼お庭番です」
「メイド兼妖術使いです」
その二人が名乗ってきた。
「お庭番!?妖術使い!?」
皆その異様な単語に目を顰めさせた。
「あの、それって」
「映画とかじゃないよね」
誰もが今聞いた単語を信じようとしない。平気な顔をしているのは彰子と正孝だけです。皆それがジョークであることを願った。しかしそれは儚い夢であった。
「いいえ」
セーラはにこりと笑ってそれを否定した。
「その通りです」
「その
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