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とある星の力を使いし者
第47話
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当たった銃弾が跳ね返り、自分達に当たってしまう可能性があるからだ。
集中砲火を浴びるエリスの足は、まるで暴風の中を強烈な向い風に向かって必死に歩こうとしているようだった。
エリスの身体は次々と剥がれていくが、周囲の床や壁などを利用して果ては撃ち込まれた弾丸さえも利用している。
その弾丸の嵐の中に場違いな赤い光がエリスに向かって飛んでいく。
それも一つだけではなく何個も飛んでいく。
その赤い光はエリスにぶつかるとエリスの身体の一部として吸収されていく。
その時だった。

neun(ノイン)。」

その言葉と同時にエリスの身体がいきなり爆発する。
シェリーはその光景を見て驚いている。
すぐさまシェリーはオイルパステルを横に振うと、エリスは再び周りを利用して壊れた箇所を再生していく。
だが、修復するたびにエリスの身体は爆発していく。

(一体、何が起こっている!?)

シェリーはエリスの身体を調べるとその体内にはいくつか自分の魔力とか違う魔力の塊を感じた。
それは小さな塊だが、次の瞬間にはその塊が一気に膨らみ爆発する。
シェリーはこれを見て直感する。
これは魔術だと。
しかし、此処は学園都市、魔術を使える者など一人もいない筈。
例え、使えても拒絶反応を起こして最悪は死に至る事もある。
シェリーはその事を誰よりも知っている、知っているからこそ何度も襲う魔術が信じられなかった。
シェリーは舌打ちをするとオイルパステルを振るい空中に十字架を書いていく。

「『神の如き者(ミカエル)』『神の薬(ラファエル)』『神の力(ガブリエル)』『神の火(ウリエル)』!
 四界を示す四天の象徴、正しき力を正しき方向へ配置し正しく導け!!」

魔術師がそちらにいるのならまずはそいつを殺さないと厄介だ、と思ったシェリーはエリスを動かし集中砲火と内部爆発の中を無理矢理前へと進ませる。
ぎぢっ、とエリスの身体から、軋んだ音が鳴り響くがそれでも命令に従うかのように前へと進んでいく。
それを見たシェリーは歓喜したように、さらに激しくオイルパステルを振り乱す。

「あ、そんな・・・・」

火薬の弾幕の中、風斬は思わず声をあげるがその場にいた麻生は落ちついた声で言う。

「どうやら、俺が思った通りに進んでくれているな。」

その言葉に風斬は麻生の方を見る。
麻生の手にはいつの間にか赤く輝く物が指と指の間に挟まっていて、麻生はそれをエリスに投げつけている。
エリスが内部爆発を起こしている原因は麻生が指に挟んでいる赤い宝石、ルビーがエリスの体内で爆発しているのだ。
宝石魔術。
宝石の中に籠っている魔力を開放して魔術を発動させる魔術。
麻生は自分の能力でルビーを具現化させそれをエリスに投げつけているのだ。

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