第47話
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ながら警備員達が持っている透明な盾の内側まで運ばれる。
「全く、あの石像を破壊したら風斬を連れて下がれとあれほど言った筈だぞ。」
その声は上から聞こえた。
言葉を聞く限り怒っているように聞こえる。
が、風斬は上を見上げその人物の顔を見るとその表情は怒ってはいなかった、むしろため息をこぼしている。
そして、その顔には見覚えがあった。
あの食堂で見かけたもう一人の男の学生、麻生恭介だった。
「いや、悪い。
完全に忘れていた。」
「まぁいい、どうせそんな事だろうと思ったからわざわざ此処まで運んでやったんだ。」
どうして、と風斬は思った。
自分は化け物だ。
銃弾を受けても、あの石像の拳を受けても平気で生きている化け物だ。
そんな自分をどうして助けてくれるのか不思議で仕方がなかった。
そんな風斬の表情を読み取ったのか風斬を抱えている麻生が答える。
「どうして自分を助けたのか理由が分からないような表情をしているな。
こいつから言わせるとお前は大事な友達なんだとよ。」
その言葉を聞いた風斬はその言葉が理解できなかった。
自分は人間ではないのに、見捨てられてもおかしくないのにそれでもこの少年は自分の事を友達だと言った。
「それで彼らは教師だ。
教師は生徒を守るのが役目だから、生徒が危険に晒されているのに黙って見ている訳にはいかないだとよ。」
じゃああなたは?、と風斬は思った。
麻生は上条とは違い友達でもなんでもない。
警備員のような教師でもない。
それなのにどうして助けに来てくれたのか分からなかった。
「あの女は俺の大事な人を傷つけた。
だから二、三発殴らないと気が済まないんだよ。
それに目の前で知り合いが傷つかれるのは目覚めが悪いからな。
ついでに助ける事にしたんだよ。」
上条ほどではないが彼の言葉にも少しだけだが優しさがこもっている気がした。
それだけで風斬は再び涙があふれてきた。
そして、上条は風斬の正面に立ち顔を見据えて言った。
「お前に教えてやる。
お前の居場所は、これくらいじゃ簡単に壊れはしないって事を!!」
「エリス・・・・」
石像の陰に隠れたシェリーはぶるぶると怒りに震えた声で叫んだ。
「ぶち殺せ、一人残らず!
こいつらの肉片を集めてお前の身体を作ってやる!!」
「させん!!
配置B!
作戦通り、弾幕を張り続けろ!!」
その合図で三方から一斉にライフルが撃たれる。
警備員達は透明な盾を持つ前衛とライフルを撃つ後衛の二組で動いていた。
そうしないとエリスに
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