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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
運命の夜の先へ
狂躁の夜を越えて(T)
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からか、クラススキルは何も無い。クラス固有の優位を持っていないのは俺の召喚のせいなので、そこはホント申し訳ない。
ただ元来備わっている技能は失われてないようなので、そこは一安心。
そして戦略の要となる宝具なのだが……なんだ、これ。
該当項目が三つ? てことは、フェンサー宝具三つも持ってるの? 何それ、反則じゃないの?
「英霊一人に宝具が一個だなんて決まりも制限も無いわよ?」
ラインから素で俺の心を読むのはやめてくれまいか。
「え、複数宝具持ってるサーヴァントって居るのか? ならそれだけで有利じゃん」
「単純に考えればね。でも、宝具の使用は凄まじい魔力を消費する。併用なんて出来ないものがほとんどだし、連続使用だって難しいもの」
「あ、そうか。魔力も無限ってわけじゃないもんな」
「だから相手の能力と状況を見極めて、適切な宝具を使用するのが重要よ。無駄撃ちに終わったりしたら、それだけで戦況がひっくり返ることだってある」
「でも複数所持してるってことは、様々な状況に適した宝具を備えてるってことだろ? 判断さえ誤らなければ、やっぱり有利だろ」
この相手にこの武器だと相性が悪いから、こっちの武器に装備し直し、みたいなことが出来るわけだ。
一つの事に特化したモノはその分野では無類の強さを発揮するが、それは他の分野では適応できずに十全な力を発揮できないことにもなる。
「そうとも限らないわ。宝具を一つしか持っていないってことはね、その英霊は生前、その武装一つだけで戦場を勝ち残って生き抜いてきたってことよ。
何が出来て何が出来ないかを正確に把握し、時にはどんな不利な戦況でさえ覆せるほどの威力を秘めた宝具ってことになる」
「なるほど。その宝具が比類ないくらい強力であるのかもしれないし、その英霊が宝具一つのみで様々な戦況に対応できる力を秘めていることにもなるのか」
「というより、クラスという指定の匣がそういう意味よ。複数のクラスに該当する英霊でも、当てはめられたクラスに沿うように他の能力は制限され一つの事に特化される」
やはり戦いというものは奥が深い。
ゲームなどとは違って、決まった必勝法などない。
不利な条件、有利な条件、勝利条件や敗北条件が毎回異なるのだから、その戦いに毎回勝利するというのは容易いことではないだろう。
だからこそ燃える。
相手より能力が優れているから勝てるとも限らないし、相手より能力が劣っているからと言って負けるとも限らない。
競い合いとはそうあるべきだろう。誰もに勝利の可能性があるからこそ、努力する意味があるし価値がある。
やばい、楽しくなってきた。
「で、何の宝具持ってんだ?」
「……秘密」
「おい、ふざけんなよ。真名も宝具もわかん
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