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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
運命の夜の先へ
狂躁の夜を越えて(T)
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日取りに行こうと思うんだけど、調子どう?」
『おお黒守の坊主か。パーツも輸入して改造も終わってっから、あとはチューニングすればいつでも出せるぜ』
「おお、サンキュー。昼過ぎにそっち行くから、チューニングしといてよ」
『よしよし。2時間くらいで終わるだろうから、それくらいに来てくれ』
「了解ー」

 プツ、と電話を切る。

 楽しそうに電話していたからか、フェンサーが怪訝な目で俺を見ている。

「誰と電話してたの?」
「新都にある、外国産二輪自動車専門店」
「? バイク買いに行くの?」
「いや、ずっと前に予約済みのヤツがあるんだよ。昨日走りまわされたおかげで、足が必要だと思ってな」

 本当なら自分への卒業祝いとして、学生の間は乗らずにロンドンに一緒に持って行こうかと思ってたんだが。

 正直乗り回したい欲求がずっと燻っていたのでこれもいい機会だ。
 街案内という名の地理把握に、きっとご活躍してくれることだろう。

「くぅ……ぁ」

 大きく伸びをしながら、自身の状態を確認する。

 魔力は3割〜4割程度まで回復。肉体の外部損傷はもう治っている。
 身体機能に異常もなし、魔力は今日一日何事もなければ完全に回復するはずだ。

 フェンサーの方は…………

「フェンサー、何か問題はあるか?」
「ん、余分な魔力供給はカットしてあるけど、それ以外は至って普通よ」
「そうか。魔力供給はいつでも調節できるし、今のとこ問題無しだな」

 ラインである程度確認できるが、本人が隠そうと思っていることまでは把握できない。
 こちら側としても、そうでなければプライベートも何もないのでそれは構わないのだが。

 マスターとサーヴァントの、お互いが必要とする情報の優先度が同じだとは限らない。

 少しの負傷でも知っておきたいと思う側と、自身の性能が劣化しない程度の傷なら構わないと判断する側。
 どちらがどちらでも同じだが、この状態の時に相手に伝える必要は無いとしている場合、自分には相手の正確なパラメータが伝わらない。

 信頼関係があればそのようなことはないだろうが、確認を取っておくにこしたことはないだろう。

「そういえば……なあ、フェンサーの真名ってなんだ?」
「……またいきなりな質問ね。それじゃあ……貴方は誰だと思う?」
「わかんねぇよ。銀光の剣に魔術に造詣の深い英雄……しかも女性……どっかの聖人? てかその剣がまず聖剣なのか魔剣なのかもわかんねぇし」
「この剣は神造兵装じゃないからそんな上等な武器じゃないわよ。受けてる加護や内包する力はそれらに劣らずだけど」

 あれ、神造兵装じゃないのか。

 神話や伝承に語られる英雄が扱う武器のほとんどは、人ならざるモノが作り出したものだ。

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