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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
運命の夜の先へ
狂躁の夜を越えて(T)
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お山。
頭の下には何やら柔らかい感触。
寝そべる俺の身体には、紫紺色の上着が掛けられていた。
(ああ……そういうことか)
事態を把握して、あくまで冷静に分析する。
外套の上からでもそこそこ大きいことはわかっていたが、まさかその上でさらに着痩せするタイプだったとは。
Eか? Fか? 俺の経験値的にDは小さすぎるように思うが…………何の経験値かは置いといて。
下から持ち上げたりして、たゆんたゆんと弄びたい衝動に駆られるが、それを鋼の精神で抑えつける。
ついでに下腹部のほうで鋼になりそうなモノも抑え付ける。
朝の生理現象の影響もあって、簡単に硬化の魔術がかかってしまうのだ。
そう、男の子は誰だってみんな、硬化の魔術の使い手なのである。
…………朝っぱらから何考えてんだ、俺。誰が上手いこと言えって言ったよ。
こんなことで自分のサーヴァントに殺されたりしたら、聖杯戦争の歴史に新たな伝説を打ち立てることになる。
そんな末代までの恥を、こんなところでよしとするわけにはいかない。
太ももの感触を惜しみながらも、俺は沸々と湧き上がる欲望に負けじと、勢い良く起き上がった。
…………下の方は起き上がってませんよー?
「よっ、と」
「あ、起きたのね、マスター」
呼びかける麗声にビクッとする。
先ほどまでの不純な思考を振り払って、彼女の方へ向き直った。
フェンサーも必要最低限の機能を残して仮眠していたのだろう。
携帯やパソコンで言う、省エネモードみたいなもんか。
眠ってしまってからの状況を知らないので、フェンサーに確認を取る。
「あれからどうなった?」
「特に何も無かったわよ。シロウはまだ寝てるだろうし、リンはその看病。セイバーはマスターの手当てが出来ないからって、道場の方に行ったわね」
「そうか……」
ここは、居間か?
ここなら周り見通せるし、何かあっても即座に対応できるからか。
一応屋敷自体にも結界があるみたいだな。
侵入者探知の結界……機能自体はシンプルだが、中々優秀な結界だ。
時間は……昼前か。
アルバイトに間に合うかどうか────というより、アルバイトなんてしてられる状況じゃなかった。
とりあえずポケットに手を突っ込み、携帯が壊れていないことに安堵しつつバイト先に休みの電話を掛ける。
家族が危篤なので、1、2週間ほど出られないと伝えた。
正直家族なんて一人も居ないが、店長には暗示をかけてあるので心配は無いだろう。
さらに昨日──時間的には今日だが──思いついたことを実行するために、もう一箇所に電話を掛ける。
「うっす、おっちゃん。アレさあ、今
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