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魔王の友を持つ魔王
§28 広がる戦禍
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家の若頭の護衛をどうしましょう? 襲撃がもう一回無いとは限りませんし。黎斗さんや草薙さんだと過剰戦力ですし、かといってこちらの手の者では荷が重い。……もっともカンピオーネ(くさなぎさん)にこんなことで動いていただくのは恐れ多いですが」

「んなもん別に気にせずに護堂に頼めばいいんじゃないですか? 見学ついでに護衛で万事解決だと思うんですけど」

 黎斗の発言に苦い顔になる甘粕。はて、何か都合が悪いのだろうか?

「見学だとひかりさんを連れて行くことになりますよ? マスター。危険地帯に連れて行くのはいかがなものかと」

「あっちゃー…… ようじ……もとい少女を連れていって事件になったらトラウマになりかねないか」

 危険地帯にひかりを連れて行くのは教育的によくないか。媛巫女の修業がどんなものか黎斗にはわからないけれど、グロ状況を見る修業があるとは思えない。護堂だけで行くのも「なんで行くの?」と言われたら説得力に欠ける。第一、魔王様(カンピオーネ)を人間の護衛になどつけようものなら他の人間に何を言われるかわかったものじゃない。そうしてみるとこれは難しい問題だ。もともと陸鷹化と戦える位の強さでなければならない時点で相当絞られるというのに。

「誰か適任者がいな??「恵那が行くよ?」……え?」

 後ろに目を向ければ三人分と一匹分のお茶菓子を持ってきた恵那が侵入してきた。

「だから、恵那が行くって。片腕のあの子なら恵那でも優位に戦えるよ。今度こそ任せといて!」

 誇らしげにボリュームのある胸を張る恵那。正直目のやり場に困る……などと普段なら言う(し、今も実際そう思う)のだが、今回は残念ながらそんな動揺出来そうにない。なぜならば。

「……大丈夫? その発言は死亡フラグにしか見えないよ?」

 戦闘能力的な問題で考える。片腕の青年ならば普段の恵那でも優位に戦えるだろう。神祖(といっても現在これは疑惑にすぎないのだが)の少女は洗脳(ディオニュソス)権能(チカラ)で昏倒させたから当面起きることは無い。だが、あれは咄嗟にかけたものだ。神クラスの存在が呪力にものを言わせて力押しで解呪してきたら呆気なく解けてしまう可能性も否定はできない。だが羅濠教主とやらが果たしてそこまで気に掛けるだろうか。さっき聞いた価値観的教主とやらは人命軽視の傾向があるように見受けられる。願わくば神祖の救助をスルーしてくれるとなんとかなるのだが。そんな期待に身を任せてもよいのだろうか?

「まぁそんな期待が既にフラグな気もするよね」

 口に出して思わず苦笑。ゲームなどではないのだから、フラグ云々は考えすぎか。ゲームのやりすぎで、どうも思考が二次元に染まっているようだ。

「……とりあえず保険に暗示(ディオニュソス)を仕掛けてお
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