§27 夜の街での襲撃者
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、このままむざむざ逃がすつもりも毛頭ない。
「とりあえず授業料代わりにその腕、貰い受けるよ」
左手から繰り出されたワイヤーは宙を駆ける青年に容易く追いつき絡みつく。彼はそれに、気付かない。
「があああああああああ!!!」
「手を出してよい相手と悪い相手の区別はしっかりつけましょー」
黎斗の声は届かなかっただろう。が、逃げる青年の声はこちらまで届いた。宙を舞う極細ワイヤーは、陸鷹化の左腕を易々と切断する。月夜に只々、鮮血が舞う。
「……血を垂らしながら飛んでくる人間の腕って怖いな」
ワイヤーと共に飛んでくる腕を見て、黎斗は少々顔を引きつらせた。今切断したばかりの、生々しい腕が新鮮な血を伴ってこちらへ向かって来ているのだから。正直不気味だ。少し離れたところで幹彦が盛大に顔を引きつらせていることに、気付かない。
「いやー、ありがとうございました。おかげで助かりましたよ」
「はい、甘粕さん。コレお土産」
「うえぇぇ!? こんなモノ入りませんよ!! 黎斗さん持っててくださいよ」
事情を聞いて急行してきた甘粕に渡そうとしたのは襲撃者の左腕。持っていてもしょうがないので渡そうとしたら断られた。交渉に使えそうなものだと思うのだが。まったく、自宅まで持ってくるのにはとても精神を使った。職質を受けたら間違いなく終わりだったのだから。上着に包んで持ってきたせいで上着が血でべちゃべちゃだ。
「そんなもの持ってたら昔話の鬼よろしく彼が取り返しに来るじゃないですか!! 陸家の御曹司をボロクソに出来るのなんてカンピオーネの方々除けば黎斗さんくらいしかいませんよ……」
「まぁ確かに強いけど、隻腕の彼ならどうにかなるんでないですか?」
「片腕だけなんてハンデにもなりませんよ…… エリカさんやリリアナさんならわかりませんが、少なくとも私達では「腕の数が一本か二本か」なんてのは誤差の範囲内です。それこそボンバー男が青兎に乗ってるかどうか、くらいは」
「いやそれ大きいでしょ。四人プレイとかで対戦やってみました? 爆弾喰らっても一回なら青兎が身代わりになってくれるじゃないですか! 最大火力&ボム大量における状態でハイパーアーマーとってボム連続で置きながら動いてみてくださいよ。あの連鎖爆発で俺TUEEEEE!が味わえるアレ。普通にやってると絶対に無敵時間切れたの気付く前に死にますから。青兎君が居ないと自滅しますって」
「ちょっと何言ってるかわからないですね」
ヒートアップして三流ゲーマーのプレイスタイルを言い始める黎斗に対して冷めた目でエルが口を挟む。豹変した黎斗に若干後退していた甘粕もこれ幸いと黎斗説得に動き出す。陸鷹
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