§27 夜の街での襲撃者
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て車を大破させてしまったのだから。余裕を持って攻撃していれば車の屋根を透過して攻撃の勢いを相手に与えられた筈なのに。しかも武器を無駄にして。修練が予想以上に足りてない。鍛えなおし確定だ。
(やりすぎたぁ……みっきーごめんよ……)
心の中で幹彦に謝罪。条件反射で力加減を誤ったことが悔やまれる。とりあえず交通事故にならなくて良かったと心から思う。対向車が来ていたら笑えない事態だった。でも、帰りどうしよう。
「不意打ちは卑怯なんじゃない?」
情けない気持ちを誤魔化すために、とりあえず話しかけてみる。まつろわぬ神達とは違って一応話は出来そうだ。
「……こりゃ驚いたな。屋根に着地する瞬間に一撃当ててくるなんて。一体全体、お兄さん何者だい?」
???強い。気配でそれがわかる。彼とまともにやりあえば幹彦はおろか恵那でもおそらく敵わない。神懸かりをした恵那なら相手になるだろうか。だが、彼がむざむざ神懸かりを許すか。
「そういうキミは、誰? 辻斬りは今時流行らないって。……恵那、エル。みっきーを連れて後退を。ただし僕のカバー出来る範囲内で」
脇腹から軽く血を流す青年から目を逸らさずに、影から短剣をいくつか取り出す。右手と左手に一本ずつ。一本をエルに、残りとやはり影から取り出した日本刀を恵那に。無いよりはマシだろう。こんなことになるのなら謹慎処分中だから、などと恵那に刀の所持を禁止するべきではなかった、と少し後悔する。手の中の短剣を弄びながら相手を見据え、周囲の気配に探りを入れる。この青年と同等の実力者が他にいると厄介なことになる。流石に非常事態なので恵那が攻撃に参加したところで文句は言われないだろうがエルと幹彦、二人も足手まといが居ては恵那も満足に戦えまい。せっかくの戦力を遊ばせておく余裕は残念ながら無いのだが、とりあえず当面は遊び駒にしておくしかなさそうだ。
「ま、結局考えるだけ無駄、かな?」
なんだかんだ考えたところで、相手の実力次第ではこの青年だけでなく敵対者全員を黎斗が受け持たなければならない可能性も低くは無い。なんでこんなことしでかしたのか聞かないわけにはいかないし、死者に聞くような技術も習得してはいない。蘇生させるのは二度手間だ。つまりは不殺で全員倒せるだろうか、という話であり果たして出来るか思い悩むがとりあえずやってみようと決意する。無理なら無理で色々出来るし。
「おっとこいつは失礼、陸鷹化だ。アンタらが居るのは想定外だが関係ない。悪いがそこの若旦那以外に用は無いからご退場願おうか。……兄さん、エリカの姉さん達より多少はできるようだね。そこの姉さんと二人がかりでこられたらちょいと面倒かな」
「陸鷹化……掌力絶大
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