§26 料理店での遭遇者
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……そういうことなら仰せの通りにさせていただきましょう」
黎斗の言葉に異論がありそうだった幹彦も、エルの補足でとりあえず納得してくれたらしい。
「それにしても驚きま……驚いたよ。”人間辞めました”だの”神に最も近い存在”なんて仰々しい通り名を持つお方だからもっと恐ろしい人だと思っていたよ。マフィアみたいな」
「神様と互角に戦うマフィアって怖すぎですよ…… そんなのが居たら安心して街を歩けないじゃないですか」
「ん?」
サラリとエルが流すから、黎斗は最初、自分の耳がおかしいのかと思った。
「それはそうだけど。でもまつろわぬ神の自由奔放ぶりはよくわかっているからね。 神に最も近いってフレーズから神の横暴に比類する、と考えればそう思ってもしょうがないだろ? おっと、今の発言は無かったことに」
「ふふっ、そう言われると確かにそうですね……これは盲点でした」
「いやいやいやいや!! アンタらナニを話してんの!? エルもなんでみょうちくりんな名前はスルーすんの!?」
聞き間違いではないことが判明してしまった。なんだこれは。しかもこのキツネ様、ドサクサに紛れて神と戦えることを暴露してくださった。幹彦がサラッと流してくれたが、食いつかれたらこやつはどうする気だったのか小一時間問い詰めたい。
「え? マスターの名前ですか?」
そんな黎斗の苦慮にも気づかずに、何を今更、といった風なエルが語る。これがドヤ顔というやつなのか。
「権能を使っていない、という前提条件がありますが六人目の神殺しの魔王、”剣の王”サルバトーレ・ドニ卿と互角。古老となっていた”元まつろわぬ神”三柱より須佐之男命様の救援が来るまで逃げ延びる。しかもよりにもよって幽世で。トドメは”叢雲”の化身に大打撃を与え七人目の神殺しの魔王、草薙護堂様の援護に成功。これだけやったにも関わらず「元一般人で今眷属です♪ ちょっと運が良かったダケだよ、てへっ★」なんて言って通じると思ってるんですか。聖騎士と呼ばれる方々ですらこんな芸当は無理だと思いますよ」
「…………」
ごめん思ってた、なんてそんな思いはエルにバッサリと切って捨てられた。
「思ってたんですね……」
エルのため息に首を竦めることで返答する。しかしここで今までに自身がやらかした事が公式でどんな風に扱われているのか確認できた。それは収穫だったというべきなのだろう。今になるまで確認することを忘れていたのだから、本当にどうしようもない。
「って、幹彦さんどうしたの? こんなところに一人で。忙しいんじゃない?」
そういえば、と前置きをして華麗に話
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