§25 とある富豪な魔王陛下
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
けておいたので、一般人に見られたというような失態は無い筈だ。
「え、エルちゃん……?」
呆気にとられた様子の恵那を見て気付く。そういえばエルのこの姿を彼女に見せるのは今日が初めてだった。
「発案、僕。協力、スサノオで作った呪符。媛さんの意見も参考にしつつ完成させたんだ」
女の子の前だから元ネタはギャルゲとは敢えて言わない。そこら辺はいくら彼でも見栄があるのだ。ラノベ収集している時点でもう恵那に苦笑いされているけれど。ドン引きされていない時点で感謝してもしきれない。
「さて、んじゃ何食べたい?」
「マスターの好きなトコで構いません」
「れーとさんの行きたいところがいいなぁ」
困った。黎斗としてはなんでも良かったのだがこんなことになるとは。まさかである。とりあえず適当な案を提案してみるしかない。近辺の地図を頭の中に思い浮かべる。流石にラーメン屋とかはナシか?いやファーストフード?高級懐石料理?やべぇ女の子と行くお店全然わかんねぇ。護堂先生、助けてください。
「……ファミレスとかは?」
「マスター、せっかくですし豪華に行きましょうよ。一食数千円とかの。お金は天下の周りものですよ?」
「学生の身分でそんなとこに行けるか! 僕たち全員(外見上は)未成年だぞ! 絶対目立つじゃん!!」
懐石料理とか考えた自分を棚に上げ、エルの暴挙とも言える提案を却下する。大体そんな高級料理店、この近辺にあるのだろうか。エルが当てになりそうにないので恵那と二人で悩んでいると脳裏に響くはエルの声。改良型の呪符はエルも念話を可能にしたのだが、問題は無いようだ。外部の音は聞こえないし、クリアに聞こえる。
(マスター、三人合わせて諭吉さん一人とちょっとで安全が買えると思えば安いものですよ?)
久々の外食が出来るエルとしてはせっかくなのだから豪華にしたい。財力も気にする必要は無いし。マモン様々である。恐れることは、何もない。だから必死に己の主に交渉する。
(安全?)
(……マスターまで護堂様の鈍感癖移りました? 恵那さんと私と一緒なんですよ?)
そこまで言われてはたと気づく。恵那はまごうことなき美少女だ。いわゆる大和撫子。エルも化けた先は美少女だ。外国人の。するとどうなる? 二人の美少女を侍らせた男がファミレスに居座っていたら。
「居ずれぇ……」
「れーとさんどしたの?」
(加えてマスターは容姿が護堂様ほど優れているわけじゃないんですよ?)
(わかった。わかったからそれ以上心を抉らないで……)
容赦のないエルにたまらず敗北宣言。たしかに彼女の言うとおりだ。
黎斗のような冴えない、平凡な容姿の者が美少女を二人も侍らせる。それで人通りの多いと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ