暁 〜小説投稿サイト〜
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SAO編−白百合の刃−
SAO4-赤い糸
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リスタルを取り出す。

「開けるわよ」
「ま、待って! まだ心の」
「知らない」

 知らないって、マイペースすぎるって。
 アスナが言い終わらないうちにドウセツは扉に手を当て押すと、かなりのスピードで扉は開いた。内部は完全な暗闇、それは冷気で濃密な闇であった。二つの蒼い炎が灯り、部屋の中央まで真っ直ぐ灯される。そして最後に大きな火柱が吹き上がり、炎の道が作り終わった。
 火柱の後ろから、見上げるような陰が出現する。全身縄の如く盛り上がった筋骨、体色は青くて、ねじれた太い角、瞳は青白、顔は山羊、数々のRPGでお馴染みの悪魔のような姿を陰から表へと出る。
『The Gleam eyes』
 それがこの層のボスモンスター。名前に定冠詞がつくのはボスの証だ。
 アスナが兄の右腕にしがみついているから、からかってやろうとは思ったけど、そんな余裕はボスが現れると余裕なんてこれっぽちも残されてはいなかった。
 山羊の顔の悪魔は、轟くような雄叫びを上げ、右手に持った巨大な剣をかざす。そして、こっちに向かって、地響きを立てつつ猛烈なスピードで走り寄ってきた。

「うわあああああ!!」
「きゃあああああ!!」
「いやああああ!!」

 兄、アスナ、そして私は同時に悲鳴を上げ、全力ダッシュでその場から離れた。それはもう疾風のごとくに駆け抜け安全エリアへと逃げて行った。
 ……冷静に考えれば、ボスは部屋から出ないことわかっていたんだけどね。逃げることしか考えていなかった。
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