暁 〜小説投稿サイト〜
至誠一貫
第二部
第一章 〜暗雲〜
九十三 〜謎の少女〜
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、何でも話す!」
 その時、背後で微かな気配を感じた。
 人影が、素早く立ち去ろうとする。
「逃すか!」
「はっ!」
 彩の投げた槍が人影の行く手を遮り、紫苑の弓は衣服ごと傍の木に縫い付けた。
「そ、そいつだ! そのチビ助が、俺達にやれって指示したんだ!」
 件の男が叫ぶ。
 すかさず、兵が駆け寄り、縛り上げた。
 頭を覆っていた布が取り払われ、素顔が露わになる。
 身の丈は、鈴々や雛里と同じぐらいか。
 そして、やはり幼く見える。
「黄巾党を装うなんて、どういう了簡よ……土方」
 少女は、冷たくそう言い放った。
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