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ソロモン会戦記 
宇宙の蜉蝣
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実際に刑務所に入ってた者だっている。規律に縛られない自由な集団。そう呼べば聞こえは良いが、実際はならず者の集まりである。
だが彼らは間違いなく家族以上の存在だ。開戦以来常に最前線で苦労以上の苦労を共にしてきたその絆は何よりも深く、その血は実の家族よりも濃い。
多くが傷つき、多くが倒れ、幾多の仲間を失った。それでも自分を慕い笑顔で戦ってくれる。
なればこそとシーマは思う。戦争の行方は別にしても彼らを楽させてやりたいと。

「シーマ様。ドズル様からの通信です。」

述懐は通信士からの報告で止まった。ようやくミノフスキー粒子の濃度が、遙か後方を行くドズルとの通信が出来る迄に薄くなったのだ。

「よし回せ。」

シートに身を沈め襟を正す。後方から騒ぎが見えてたかは分からないが、バルバロッサの通信が打ち切られてから10分だ。おそらく既にドズルの元へ報告は届いてるだろう、シーマは叱責を覚悟した。

「やってくれたなシーマ少佐。」

シーマは戸惑う。その言葉とは裏腹に、ドズルの顔が嬉しそうに笑って見えるのだ。

「申し訳ありません。どの様な罰でもお受けします。」

親衛隊所属の艦船を挑発した挙げ句、攻撃を加えてしまったのだ。臨検に対処したと言い訳の出来る一回めはまだしも、二回目に関しては、いかにドズルの名を出そうとも何らかの処罰は免れまい。

だが、それならそれで軍を抜けるだけさ

シーマはそう思う。軍に絶望してる彼女にとってはその方が都合が良いのかも知れない。この場で撃ち合いになろうとも数は海兵隊の方が多いので脱出は容易である。


「責めてはおらん。シーマ少佐。貴官は親衛隊のバルバロッサと合同訓練を行った。そうであろう??」

「……閣下?」

「そういう報告しか俺は聞いておらん。実はな少佐、俺も総帥府の連中はどうにも好かん。」

 そう言い笑みを浮かべる。獰猛な獣の様な印象の強いドズルであるが、その笑顔は意外と幼くあどけなく見える。
餓鬼大勝が悪戯をして見つかった時の様な笑顔。そんな印象をシーマは受けた。
国家の重鎮としてのドズルは厳しい軍人かも知れないが、本質的には海兵の男達に近いのかも知れない。そう思うと不思議とシーマも笑みがこぼれる。

「これは驚いた。海兵のシーマ・ガラハウもそんな笑みを浮かべるのだな。これは良いものを見た。」

ドズルの言葉に艦橋が沸いた。シーマは柄にもなく赤面してしまうが、皆がこうやって笑うのは久しく無かった気がする。

「ドズル閣下ダメですぜ。うちのシーマ様、こういうのには弱いんですから。それに閣下にはゼナ様がいらっしゃるじゃないですか。」

 コッセルの言葉に再び歓声が沸く。さすがにまずいとシーマは思ったがドズルも別段怒る訳でも無く豪快な笑いを浮かべて
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