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ソロモン会戦記 
ソロモンの悪夢(後)
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場で立ち止まるとは素人か!」

 ガトーの怒号に呼応するかの様にゲルググはまたもナギナタを払う。最初の切り払いで一機のジムは肩の辺りから袈裟斬りにされて上半身が爆発し四散した。
次の一撃を横にいたジムののコクピット周辺に突き刺し、中のパイロットを蒸発させるとゲルググの脚で宇宙の深淵に蹴りやると、そのAMBAC機動の勢いで、3機目のジムには肩から体当たりをし体制を崩させ、その隙にゼロ距離からビームライフルで動力炉打ち抜いた。
3機目のジムから発せられた核爆発が、周囲の残骸を焼き付くした頃には動いてるジムの姿はもうなかった。

 残る敵艦隊が近づいてきた為、対空放火は苛烈であったが勝利は最早疑い様ない。モビルスーツを持たない艦隊がどれほど惨めかは此までの1年弱の戦いが証明している。

「俺の助太刀はいらなかったかな」

「いや、こうも圧倒的に勝てたのは君の援軍があればだよケリィ」

「謙遜するなガトー。君こそジオンの英雄だ。」

「言い過ぎよケリィ。まあ君からの言葉だ、喜んで受け取っておくよ。」

 サラミスの一隻に対艦ミサイルを放ちながら、短距離通信で届くケリィの声に、ガトーもサラミス型に的確にライフルの射撃を当てながら答える。
旗艦と思わしきマゼランは、ビュローとカリウスの攻撃により満身創痍となり既に後退の準備を始めている。残る数隻のサラミスが撃沈するか後退して行くのも時間の問題であろう。ベララバラ沖遭遇戦。後にそう名付けられる戦いはこうして幕を閉じようとしていた。






臨時作戦本部となっていた士官食堂は歓喜の嵐に包まれていた。僅か一個中隊9機のモビルスーツ隊がモビルアーマーの支援を受けてたとは言え多大な戦果を上げたのだ

撃破した敵モビルスーツは、戦闘ポッドを含むとは言え20機以上、撃沈した敵艦船は実にサラミス型9隻。


「やれやれ、敵に新たに援軍が現れた時はどうしようかと思ったぞ」

額の汗を拭きながらコンスコンが言う

「恐ろしきはガトー大尉といった所でしょうな。こちらも援軍の手配をしていたのにその到着の前に決着をつけるとは・・・」

「参謀長の言う通りであるな。ガトーの大尉の存在は連邦にとって正に悪夢とも言えよう」

「ソロモンの悪夢ですか・・・この様な兵がいる限り、我がジオンに敗北はありませんな閣下」


宇宙世紀0079 12月12日
ジオン公国宇宙攻撃軍所属、アナベル・ガトー大尉。この日より彼はソロモンの悪夢と呼ばれる事になる
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