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ソロモン会戦記 
ソロモンの悪夢(後)
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行動でもあった。常道だからこそ対処しやすい。連邦同士の訓練では通用してみジオン相手に不意打ちには生り得ない。

ゲルググの足を前へ振り出しそ、の反動で姿勢を変える。既にライフルの照準は敵を捉えていた。ロックオンを告げる電子音がコクピットに鳴り響くと同時にライフルを射出する
一瞬の後ジム・コマンドは光球と化す。敵を補足してからこの間僅かに3秒。余りにも早い行動と言えた。ジム・コマンドのパイロットは恐らく自分の死すら認識できずに霧散してしまったのであろう。

 AMBAC(アンバック)機動。ガトーの行った、人型モビルスーツのみに許された反動姿勢制御だ。宙間戦闘の基本と言えるが、こうも巧くAMBACを使いこなすのはジオンに勇者多しと言えどもガトーしかいない
赤い彗星シャア・アズナブル大佐の得意とする所は、高速機動戦闘であり、真紅の稲妻ジョニー・ライデン少佐も、射撃に特化してる物の本質は高速機動戦闘だ。
白狼シン・マツナガ大尉は格闘戦であるし、エース部隊と名高いキマイラ隊の面々はその大半が強襲戦闘を得意としている。

 AMBAC機動の本質は反動を利用する事により敵に未来位置を読ませない事である為、その戦闘方は乱戦である程有利に働く。

 目の前に居た筈が反動を利用して一瞬の内に位置を入れ替える為、敵からしたらまるで瞬間移動したかの様に錯覚するのである。また推進剤の節約にもなり継戦能力も高まる為、ガトーは自ら率いる302哨戒中隊にこの戦闘方を習熟させていた。
高速機動戦闘は一見華やかであるがパイロットの身体に負担を強いる為、完璧な技量で修得するには相応の時間がかかる。
AMBAC機動の場合、宙間戦闘の基本と位置づけられてる為修得その物に困難はない。ガトー程卓越した物は数少ないが、戦闘行動を行うのに不都合が無いレベル迄の修得なら容易である為問題無い。

学徒も動員されつつあるジオン公国の現状では、短期間で最大の効果を上げれるAMBAC機動による戦闘方の修得は、その有無によって戦争の行方すら左右しかねない問題なのである。

その点において、302哨戒中隊の隊員に問題は無い。
不用意に接近戦を挑まず、かつ離れすぎず適正な距離を保ったままで敵を攪乱している。
見ればカリウスのドムが放ったジャイアント・バズが丁度一機の丸形に命中する所だった。いかに初陣の新兵といえども、モビルスーツが戦闘ポッド如きに不覚を取る事はない。戦場で立ち止まる等と言う、素人染みた行動をしない限りは、初速の遅いボールの180ミリキヤノンによって撃墜される事はあり得ない

 戦闘は302哨戒中隊有利に進んでいる。敵機は既にモビルスーツ2機と戦闘ポッド1機まで数を減らし一カ所に密集している。それに対ししガトー達が扇型に包囲隊形をとりながら攻撃を繰り返している。

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